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都市生活者のバックパック

カメラ雑誌の編集長など、面白そうな企画に対して常にアンテナを張っているであろう人たちに、ときおり「いつか写真愛好家たちに向けて、腰痛防止の連載をやってみたい」と話してきました。
重い機材を持ち、中腰など不安定な姿勢が多く、一方の肩に重さが集中する持ち方をしたり、腰を痛めてしまうのは必然です。でも長く写真を楽しむために「いい写真を撮るために必要な犠牲」と考えるのではなく、予防や改善できることは多いはず。

筋トレ、ストレッチなど、撮影のプロセスを相談しながらトレーナーに取材して、かんたんなメニューを作ってもらうとか、体型や機材の量からバッグ選びの指南をしたり、機材を減らすための工夫など、けっこう役に立つ記事が書けるのではないかと思うので。
個人でやってもいいですけれど、メディア主導のほうが取材が楽ですし、内容に責任を残していけます。でもまあ、たいてい「面白いこと考えますねぇ」とは言ってもらえるけれど、それ以上に進展しないから、なにか問題あるんでしょうね。

自分でできることから始めようと、筋トレを中心として筋膜リリースなどを組み合わせ、もともと抱えていた腰痛は、ときどき再発するけれど一応は抑え込むことに成功しました。靴選びも重要ですね。ハイテク系スニーカーすごい!
スナップだと多い日は20km以上も歩くため、次はバッグ選び。
トートバッグに重いものを入れ、肩にかけたときを想像するとわかりやすいですが、必ずそっちの肩がずり落ちないように上がってしまい、バランスを取ろうと腰は逆のカーブを描き、背中から腰に歪みができて良くないです。
現時点では(否定的な説もあるものの)バックパックのほうが良いことになっていて、写真愛好家のニュースタンダード。

バッグみたいに、長く使うほど何を収納したか考えないで扱えるようになるものは、五年くらい先の自分が使っている姿を想像して選ぶのが良いように思います。使いやすいからって、ぼろぼろになっても同じものを使っている人をよく見ますよね。いい出会いがあれば五年、十年・・・いや、十五年?
すこし体力は落ちているかもしれない。でも今ほどたくさんの機材は必要なくなるだろうし、パソコンはiPadで代用しているかもしれないし、着る服はきっと天然素材が増えていくだろうから・・・・というふうに。

まずは、トローリーケースにパソコンと着替えを入れ、ショルダーバッグにカメラや財布などを入れるのが一泊の出張の基本スタイルとなりました。
でもこれ実はメリットが少ないです。
トローリーケースは利き手ばかりで引っ張るから、身体に蓄積される歪みやダメージは回避できないらしいし、人混みでは邪魔もの扱いされ、移動のときにちょっと撮りたいものを見つけても走ることもできません。
コインロッカーに収納すると、あとで必ずそこに戻らなくちゃいけない。どんどん先に進んでいきたい、この角を曲がったらなにがあるんだろう? という撮影の醍醐味をスポイルしてしまう。
そこですべての荷物をバックパックに入れるように、見直し計画に取り掛かりました。

最初に買ったのがTIMBUK2。
とにかく収納力があって、小さめのトローリーケースよりたくさん入ります。でも背中側に強固なブレードが入っているのと、シェルが固いせいで、快適からほど遠い結果に。
ひとつ買ってみて、色んな使い方をすると、自分が求めているものはわかりやすくなりますね。いい勉強になりました。
背負ったときのシルエットは嫌いじゃないので、手放さないで残してあります。パソコン用のコンパートメントに横からアクセスできて、15インチでも余裕で入るところもいいです。

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いろいろ課題が見えてきて、海外のサイトで「移動の多いビジネスマンに最高のバックパック」「ミニマリストの究極のばっぐ」みたいな記事をたくさん見て検討して、評価が高かったのがAER。
サンフランシスコ発ってところもいいし、オフィシャルサイトでGRを入れてブツ撮りしていることでカメラとの親和性をイメージしやすかったです。実店舗に行くとオリンパスの銀塩カメラが大量にディスプレイされています。
生粋のカメラバッグとして使うなら、WANDRDみたいな機能性とファッション性を両立しているブランドもありますけれど、一眼レフ2台と大口径ズームレンズが基本セットって・・・。

AERのウリは、非常にタフなコーデュラナイロンを使って、ファスナーも含めて耐水性も高いのに、自重が軽く背負うのが楽なのと、ミニマルなデザインでスーツからカジュアルまで服装を選ばないところ。
シューズコンパートメントあって、ジョギングシューズなど入れて出張に行くのもいいし、鯵の干物や551の肉まんを買ってしまい、着替えに匂いがつくのが心配だってときにもいいです。
頑張れば二泊三日まで行けそうな気がしますが、一泊二日なら最強だと思って愛用しています。
小物をきれいに収納できてオーガナイズに優れたバッグ、と記事で紹介されていますが、マチが少なく、すこしポケットが深めなので、あちこちに収納すると見つけるのに苦労するかも。どこに何を入れるか考えるまでもないくらい慣れたら、さらに使いやすくなるはず。

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サンフランシスコ発でもうひとつ、DSPICHのスリングバッグ。
スリングは斜めがけを考慮したウェストバッグのようなもの。メッセンジャーバッグに近いかも。これはスリングとして最大サイズで、小さめのリュックくらいあって、13インチのパソコンなら余裕で入ります。
AERとコンセプトが近いので仕様は似ていて、たしか軍用でも使われているナイロンだったはず。無駄のないフォルムも好きです。小さめの三脚を取り付けられるようなベルトループがありますが、使ったことはないです。
自転車に乗るときも便利。右から背負うか、左から背負うかで、縦横が変わるようになっているのも秀逸。

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でもいくらなんでも大きすぎるので、パソコンは入らなくてもいいからカメラが余裕で入れられるマチがあるものをさがして、MAMMUTのウエストポーチを。
メインの収納スペースより内側に、ロールトップの収納スペースがあるため、買い物をして荷物が増えたときなどすごく便利。さすがアウトドアブランドらしく、臨機応変に使い方を変えて、状況の変化に対応できるように作られています。
頑強さを犠牲にして軽さを優先しているところも好きです。トローリーケースの中にこれを入れておけば、ホテルにチェックインしたらカメラと財布を移して・・・なんてときにも便利。ぺちゃんこに潰せます。

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打ち合わせみたいな、ちょっと荷物が多いからショルダーバッグだときついなってときのために、THE BROWN BUFFALOのバックパックを。他は黒が多いのにこれはライトブラウン(メーカーではカーキ)なのは、レザージャケットなどに合わせられるように。
詳しいことは忘れましたが、North FaceかPatagoniaか、そういうアウトドアブランドで名品を作ってキャリアを積んだ人が独立して作ったものだったはず。

アウトドアの質実剛健さと、ファッション性のバランスが絶妙。
中にポーチ(サコッシュ)みたいなのがマジックテープでついていて、ふだんは小物収納のポケットになっているけれど、外して独立させられるので、財布とスマホだけ持って飲み会に!みたいなとき最高。

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