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撮って、漕いで、乗り継いで、また食べて

#写真家が自転車に恋をして #06

輪行の実際を レポートを交えて


千葉まで電車で出て、八街のあたりを通って銚子を目指し、そこでポタリングをして食事を楽しみ、残った力を振り絞って九十九里サイクリングロードを南下して上総一ノ宮まで走って、また電車で帰ってくる。

という一日を通して、いま思う「自転車とカメラの素敵な関係」のための装備や工夫、これから改善していきたいところなどを。

青看板に目的地が! という瞬間は嬉しい



選んだ自転車はKHS F20R


折りたたみ自転車では走行性能は抜群とされていて、でも重いです。ハンドルを抜くとさらに小さくなるけれど、今回はシートを下げて二つ折りにするだけ。ローカル線にも気軽に乗せられるように。
犬吠埼まで約100km、ゴールまで走ると150kmになるので、小径車の距離じゃないですけれど、試してみないとわからないこともあるから。

このKHS F20Rは、ぼくの自転車で唯一スタンドがあって、そこらに停めておける気軽さと、漕ぎ出しと小回りは抜群。
その一方で、勢いに任せてグングン進むということがなく、ハンドルを支えるのに力がいるため、長い距離を走るのに向いていない。

補給食のマイブームはあんぱん

ということで、二つ折りにしたF20Rがすっぽり入るオーストリッチの輪行袋を。
最近のとにかく薄くて軽い輪行袋と比べると、生地はしっかりしていて丈夫な分だけ畳んでも大きく重いです。
自転車と輪行袋、あとはもちろんヘルメットまでが必須セット。ペダルやサドルと同じでなかったら走れないもの。



カメラはリコーGRIIIx


必要とあれば重いカメラでも大丈夫ですが、今回の新しいチャレンジとしてサドルバッグを大きなものにして輪行袋やパンク修理ツールなどをそっちにまとめ、ウエストバッグに財布とスマホ、カメラを入れるスタイルに。
当日は30°cあったため、暑くてリュックを背負うのがキツイときのためのシミュレーションです。

GRIIIのサイズ感


GRIII、GRIIIxは自転車との組み合わせは最強という声を聞きます。
画質は十分なのに小さく軽い。取り出すところからシャッターを切るまで片手で操作できて、電源オフのときはレンズが保護されているのもいいです。
防塵防滴じゃないからジャージのポケットに入れておいて汗がついても大丈夫なのかってところは不安。よくネット記事で「GRを防水にする工夫」といったものを見かけますが、防水とは水に沈めて水圧がかかっても大丈夫ということで、雨に濡れても大丈夫というくらいなら防塵防滴です。
不満がないわけではなくて、小さな背面液晶だと細かなフレーミングができないのと、明るいところやサングラスをしていると見えにくい。操作系もそろそろ見直してほしいです。

広大な空と日本一の漁港という銚子のイメージからすると、ワイドレンズのGRIIIがいいような気もしますが、どちらを選んでも一台だけで撮り切る自信はあります。自転車のファンがカメラに興味を持ったのではなく、写真家が自転車に恋をしたわけで、撮るほうのスキルが先行してるから、そこは頑張らないと。



ないと不便なもの

サングラスとグローブ
電車を降りて自転車を開いているところで、サングラスを忘れたことに気づきました。グローブとサングラスがないと長距離のライドはかなりキツくなります。消耗が激しいため先行きが不安。


自転車と音楽
自転車に乗っているときに音楽が聞けないものかと考えて骨伝導イヤホンも試しましたが、風切り音で音質がどうこうというレベルで聞けないし、もしかしたら違法なのではという不安もあり、いまは外の音を聞くことにも意味があると思うようにしています。
その代わりに電車での移動で音楽が聴けるよう、ハイレゾのDAPを持っていて、その日の気分に合わせて「今日の一枚」的なアルバムを選んで入れておきます。
この日はビリー・ジョエルのベスト盤。励まされました。

青春のアンセム「Don't stop believin'」、最強のポップソング「Piano Man」、村上春樹さんの名短編「プールサイド」にも登場した「Allentown」など、名曲がびっしり。



ナビは重要


初めての道を走るとき欠かせないのがナビ。
Beeline Velo 2を使っています。サイコンほど高くなく、でも機能は十分。
方向だけ、速度だけ、といった表示もできます。
ときどき出先でシャットダウンしてしまい、初期ロットならではの不具合かもしれません。壊れたらまたこれ買おうと思うレベルで気に入ってます。
スマホ側のアプリの優秀さが素晴らしい。日本語へのローカライズもバッチリで、美しく扱いやすいです。

ナビに任せていると嗅覚が鈍るというのか、こっちの道が良さそう、あの光を追いたいな、ということができなくなるのは悔しいですし、事前に作ったルートに縛られるのも勿体ないです。
地元で作った地図などがあったらもらうようにして「ざっくりした紙の地図」を見ながら走る楽しさも大切にしています。
長距離を効率よく走ることが目的ではなく、ハプニングも含め出会いを写真に残していくことが目的だから。


持っていったもの一覧

必需品
スマホ/モバイルバッテリー/現金/クレジットカード一枚/替チューブ/携帯ポンプ(LEZYNE)/ミニ工具
できれば持ちたいもの
薄くて軽い短パン(電車で履くため)/ビニール袋二枚(ゴミやお土産を入れるため)/カメラのバッテリー/日焼け止め/DAP(デジタルオーディオプレーヤー)


グルメも楽しみたい

事前にルートを考えるとき、グルメサイトなどで有名な店を二軒、旬のもの、その土地ならではのものが食べられる店をリストアップしておきます。
さっきのナビと同じで、事前に決めたことに縛られすぎるとつまらないし、出会いを見逃してしまいそうなので、もし自分がそこに住んでいたら・・・と考えるようにして、人の流れ、外観、メニューなどを頼りに、できるだけ地元密着のお店で食べたいです。

この感じが最高
しかも激安
リフトする手が震えるレベルの美味しさ


農家の直販所や道の駅にも立ち寄るようにしています。果物を買うことが多いけれど、今回の収穫はなめろう。
こんなのライドの途中で買ってどうすればいいのか悩みましたが、コンビニでおにぎりを買って近くの公園で食べました。最高だった。

贅沢すぎる補給食





Mini Gallery

自転車じゃないとまず通らない場所にある大好きな美術館
マーク・ロスコ大好きだけれど、ロングライドを控えた朝に見る自信はなかった。
銚子名物の風車。自然の中にある違和感はエヴァンゲリオンっぽい。
設定や構図を変えながら、この場所と深く関われるのがカメラの楽しさ。
ロードムービーっぽい、移動の映像は残したい



A perfect shop for bicycle  #03


ばんや/海鮮

内房の超有名店。
初めての輪行は保田駅から始めたので、最初に食べた輪行ランチ。
このあたりは都心からの距離が近いわりに、すごく遠くに来た雰囲気があり、外房ほど電車の本数も少なくないので慣れないうちは特におすすめです。
廃校を利用した有名な道の駅もあります。

代表的メニューのアジフライ。安心の味。

写真を撮るのに、近くの漁港の感じもいいです。
房総は優しさを感じる海が多いですが、このあたりは表情が豊か。

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