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写真の真実、映画の快楽

A4のフライヤーの写真に目が止まった。
どうやら映画の一場面のようだ。
大袈裟に言うなら、紙から飛び出してきて心を掴まれた。
一年に何度もあることではない。

その映画のフィルムからプリントした写真展が開催されるという。
画質は写真に比べて劣るだろうが、素材の多さ、かかっている時間、スタッフの数では、一般的な写真を遥かに超えるはずだ。
4Kはすでに基準値で、8Kになろうという動画全盛の時代に、その違いがどう目に映るか興味もあった。

結論から言えば、そこに展示されていたすべての写真を足しても、あのフライヤーの写真を超えることはできなかった。
映画本編と比べてどうかはわからない。
映画の体験とは特別なものだし、音楽があり、時間の流れがあるから。

ゴダールは「写真が真実なら映画は毎秒二十四回の真実だ」と言った。
でも映画が快楽なら、写真は毎秒二十四倍の快楽だ。

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