家族のこと。

自分を構成するうえで家族は欠かせない。

結婚しているから、夫も家族だが私にとって夫は家族と呼ぶのは少し違う。人生を共に歩むパートナー。

この言葉がしっくりくる。

だが、今回は夫のことが書きたいわけではない。

私にとっての家族は両親、兄のことである。私の家庭は複雑だった。だが、それを知ったのは27歳の時だった。

兄が腹違いであり、母は父と再婚し、私が生まれたというのを兄が一人暮らしだったタイミングで知った。

表面上は何ともなく、受け入れていたが心の中ので整理が全くできず、心にふたをした。いつか整理できると。

そして、30歳になると母が倒れた。

母は脳内室出血という病で倒れ、ICUにはいり、すべての手続きは父ではできず私がしていた。

泣いたり、取り乱したりすることはなかった。きっとそんな心の余裕がなかったのだと思う。父も同じで親戚にすら連絡ができなかった状態だった。親戚にも私が電話をし、事情を話す。

泣くということをしないできた。

幸い母は目覚めた。

ホッとした。

けれど、前の通りではなかった。昔の話を繰り返し話すようになり、最近のことはすべて忘れてしまう。そして私の夫のことを「嫌い」と言い続けている。

この現実をいまだに受け止められずにいる。

思えば、私にとって本当の家族である母、父だけで過ごしたこともなく、いびつな状態で来ているのだから当然である。

どこかでボタンの掛け違えたのであれば、戻ってかけなおさないといけない。27歳の時にカミングアウトされたことを思い返すと、母なりの戻ってかけなおすタイミングであったのだろう。

だが、それも叶わない。

母と会うたびにこのもどかしい思いが駆け巡る。本人に言ってもしょうがない。理性ではわかっている。だが、もどかしくてイライラする。母と会うとそういう思いの繰り返しで私は疲れてしまったのかもしれない。


本当は思い切り、感情のまま泣いたり、叫んだりすればいい。


残念ながら、それができるタイプではなかった。

だから、泣く代わりにこの場所で筆を執ることにした。これが一つのきっかけだった。

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