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補選全敗の自民、今後の岸田政権はいかに?


島根1区、保守王国を破る立憲

今回、いちばんの衝撃は間違いなく島根1区だったと言えます。

与野党の一騎打ちとなり、両党の幹部を相次いで投入した選挙戦は
まさしく油断ならない選挙区だと言えました。

【自民】
岸田総裁、茂木幹事長、小渕選対委員長、石破元幹事長、小泉元環境大臣、鈴木青年局長etc
【立憲】
泉代表、辻元代表代行、岡田幹事長、安住国対委員長、野田元首相、枝野前代表、蓮舫参議院議員etc

与野党ともに大物を今回、島根1区に集中させて、見事に選挙戦で勝利したことは
立憲にとっては大きな勝利であるとともに、自民にとっては歴史的な敗北です。

二度も亀井議員に敗れることは自民にとっては衝撃です。

亀井氏が野党候補として2007年の参議院選挙でも自民王国である島根選挙区で、
自民候補を破り、当選を果たしました。

あの2007年の選挙戦は、民主党政権に政権交代する前に行われた
参議院選挙であり、自民に逆風が吹いていました。

今回は17年ぶりに亀井氏が再び保守王国で勝利したことで、
政権交代前夜に近い危機感が今、自民党内にもより広がる可能性があるため、
今後の政治資金規正法の改正にも注目です。

逆転の錦織は不発

自民党が逆風の中で打ち出したスローガンは逆転の錦織です。

今回の自民党内の激しい逆風で、錦織氏が厳しい状況下の中で
選挙戦を繰り広げられるため、小泉元環境大臣が打ち出したスローガンは
まさに今回の自民党内でも広がりつつあったでしょう。

現に与党候補の票固めはまだギリギリ成功していたと思います。

しかし無党派層が圧倒的に足りなかったことが挙げられます。

【島根1区(補欠選挙):結果】
合計  錦織(自民)57,897:亀井(立憲)82,691
松江市 
錦織(自民)34,378:亀井(立憲)50,234
出雲市1区 錦織(自民)4,667:亀井(立憲)6,477
安来市 錦織(自民)6,199:亀井(立憲)10,244
雲南市1区 錦織(自民)5,114:亀井(立憲)7,825
隠岐郡 錦織(自民)4,532:亀井(立憲)4,858
奥出雲町 錦織(自民)3,007:亀井(立憲)3,053

島根県の公式HPで見る限り、こんな感じですね。
松江市で大差をつけられ、島や町といった地域でも、
接戦ながら自民に勝利しています。

亀井氏は細田前衆議院議長に前回の総選挙では
多くの自治体で敗れた亀井氏ですが、今回の選挙では
2つの自治体以外の多くで勝利を収めています。

このことは本当に自民党にとっては危機であり、
今後の情勢はどうなるかが問われる。

東京15区は立憲分裂も影響なく、立憲女性区議が勝利

続いては東京15区についてです。

東京15区は立憲の区議経験者の酒井菜摘氏が当選を果たしました。

自民不在の中、与党はファーストの会の副代表の無所属・乙武候補の支援をまとめることができず、
乙武氏はまさかの4番目で終わりました。

また維新の金澤候補は前回の総選挙と比べ
44,882票から28,461票と1万6千票近くもの票数を減らし、
複数候補による分裂が尾を引いた結果となります。

そして恐ろしく今回の選挙で大健闘を遂げたのは、
日本保守党と須藤元気氏です。

前者の日本保守党は今回の選挙はデビュー戦でしたが、
SNSの人気さと自民候補の不在、さらに『永遠のゼロ』の著者である
ネームバリューをはじめとした知名度と政策が反映され、
24,264票の大健闘を果たしました。

今後の日本保守党の動向に注目です。

須藤元気氏は酒井菜摘氏と一本化なるか?

ただ今回は補欠選挙であることと、与党が候補者を擁立しなかったこともあり、
共産党の支援を固め、江東区長選挙での構図をそのまま持ち込むことで
組織的に固められ、結果として5万票近くで勝利できたと思われます。

仮に通常選挙の場合は、7-8万票近くを獲得できるようにするには、
須藤元気氏との支持や一本化ができるか否かが課題でしょう。

もし野党が分裂し、自公が都民ファと手を組み、
別の候補者を擁立することとなれば、酒井氏にとっても
頭を悩ます構図になる可能性もあります。

衆議院選挙で誰が今度は出馬されるかは分かりませんが
29,669票を獲得した須藤氏支持層との一本化ができれば、
酒井氏にとっては強い地盤の獲得になるかと思われます。

次は内閣不信任案の提出の動き?

次は内閣不信任案前後に起きることです。

今年、政治資金規正法の改正が行われ、
野党が内閣不信任案を提出する際に、
どの党が不信任案に賛成して、
あるいは反対するかが問われるでしょう。

現状では自民党にとってなかなか解散を打ちづらい状況となりましたが、
一方で今回の選挙では候補者をおろして支援した共産党との関係
立憲にとっては無視できないものとなったと考えられます。

少なくとも今後、選挙が近づくにつれ共産党が候補者を下ろし、
維新や国民がどう動くかが注目です。

ただし「立憲共産党」というワードを広まられるのも、
前回の総選挙を経験し、議席を減らした当時の執行部にとっては
痛手のため、今回はどのようなワードで野党間の協力を模索するか?

注目です。

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