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和歌山1区 維新の女性議員vs参院を5期務めた大物政治家 #80【選挙解説】


①和歌山1区のエリア

  • 和歌山市

  • 紀の川市

  • 岩出市

②和歌山1区は野党系の地盤だが・・・

和歌山1区は現在の和歌山県知事である岸本周平氏の地盤でした。
岸本氏は衆議院議員を5期務めた国民民主党の議員であり、昨年に和歌山知事選に出馬し初当選を果たしました。
その時に真っ先に応援したのが二階元幹事長で自民党が独自候補を擁立せず、岸本氏に推薦を取り付け当選を支持しました。
そして空席となった和歌山1区は今年補欠選挙を行い、維新の会の林 佑美氏が出馬し、自民元職を破り初当選を果たしました。
林氏は和歌山市議に昨年8月に当選したばかりで、維新としては女性と比較的若い候補を擁立し、関西での勢いで追い討ちをかけて当選しました。
今回は自民党としては議席奪還をかけた戦いとなります。

③候補者紹介(予想される顔ぶれ)

ここで候補者を紹介いたします。なお選挙制度において公平性を記すために現職・新人・名前と年齢、所属政党を記します。
維新【現職】林 佑美候補(42歳)[1期]
自民【新人】鶴保 庸介候補(56歳) [参5期]
参政【新人】林元 将崇候補(25歳)

④岸本票・無党派票の行方

まず今回の選挙でポイントをお伝えします。
市議経験者
維新:林氏
秘書経験者
自民:鶴保氏
女性候補
維新:林氏
大臣経験者
自民:鶴保氏
保守
自民:鶴保氏
維新:林氏
参政:林元氏
現職国会議員
維新:林氏
自民:鶴保氏
民間
参政:林元氏
最年少
参政:林元氏

今回の選挙では区割り変更に伴い、和歌山市だけでなく旧2区の岩出市 (人口約54,000人) と紀の川市 (人口約58,000人)が新たに加わります。
この辺りは維新としてもまだ抑えきれておらず、自民が有利であり維新としては不利な地域な地域であると考えています。
ただ和歌山市は約4分3であるため、維新が今回の選挙で得た勢いをどこまで伸ばせるかが課題でしょう。
自民候補は参院から鞍替えした鶴保 庸介元沖縄及び北方対策担当大臣を支部長に選任しました。鶴保氏は二階派の副会長であり、かつては小沢一郎氏の秘書を務めました。1998年の参議院選挙で二階氏の応援のもとで初当選し、それ以来5期務めています。また同じく自民党である野田聖子元少子化対策担当大臣とは数年間、事実婚の関係であったことから前回の自民党総裁選挙でも野田氏を支持した。
今回の選挙では鶴保氏を擁立することで、前回門氏で逃した保守層の取り込みと岸本票の禅譲が行われるかが課題です。
鶴保氏は参院選挙では前回、得票率7割というハイスコアを記録したものの、関西で勢いのある維新の会を相手にどこまで有権者に浸透できるかが問われます。
実際、補欠選挙でも鶴保氏と門氏、両氏のうちどちらかを自民党候補にする案があり、国会議員間でも割れる意見がありました。最終的に1区で長年戦われた門氏が選ばれましたが、維新の会の躍進(奈良県知事選挙の勝利)もあり落選する結果となりました。
だからこそ今回の鶴保氏にとって自民保守層は固められるも、元々野党系の地盤であったことから鶴保氏に票を受け継げるかが問われます。
一方の林氏に関しては女性候補であることと維新の躍進により、無党派層へのアプローチは強いとみられる一方で、自民党保守層への取り込みは鶴保氏の存在により難関かもしれません。2割取れるかどうかも難しいとも感じています。
また万博問題や維新の躍進が衆議院選挙でそこまでではないのでないか?
野党第一党には届かないのではないか?各メディアの情勢調査で伺えることから、維新の勢いが保てない面もあります。
ただ和歌山での野党票の取り込みや無党派の取り込みは成功すると思われ、県庁所在地の和歌山市で6-7割近くまで票を固められるかが問われます。
いずれにしても注目の選挙戦です。

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