イギリス最大野党党首、キーア・スターマー次期総理候補って誰？ イギリスでは政権交代なのか！？
もはや政権交代のイギリス
イギリスでは政権交代が起きそうです。
2010年、当時の労働党の首相であるゴードンブラウン首相が
総選挙で敗北し、保守党のキャメロン首相が誕生し、
それ以降はメイ首相、ジョンソン首相、トラス首相、現在のスナク首相と
5名の首相が生まれました。
特に保守党政権での最大の成果はイギリスのEU離脱と
いえるでしょう。
EUは確かに共通の経済圏を抱え、EUに加盟する中間所得国（ウクライナ等）には
大きなメリットがあります。
しかし同時に二十数カ国の意思があり、意思決定にも複雑なプロセスがあること。
加えてイギリスは他のEU諸国と違う点として、元大英帝国の元首であり、
島国であることもまたEUにいることは恩恵が少なく、イギリス独自で判断した方が早いと感じるものもあったでしょう。
そのためイギリスはEUを離脱したのです。
ただしイギリスはコロナ期間中にジョンソン首相が
パーティーを開き問題となり、トラス首相が経済界に混乱を招く
こととなり、わずか数ヶ月で辞任しました。
その間、イギリスは急速なインフレに苦しむ国民と保守政権の不満がたまり、
対立の労働党との差は20-30パーセントもの政党支持率の差が生まれました。
日本でいうと自民党の支持率が28%で、
立憲民主党の支持率が50%のイメージです。
野党第一党が与党に大差をつけて支持率がアップしているため、
政権交代が確実的とも言えるのです。
そこで今回は労働党の党首であるキーア・スタマー代表について
解説します！
キア・スタマーとは？
1962年9月2日、ロンドンのサザークで生まれました。
4人兄弟の次男で父は工具職人、母は看護師の家庭で育ったスタマー氏ですが、
既に母は病気にかかっていました。
ちなみに重要なのがスタマーという名前の由来は、両親が労働党支持者である
ことと党の初代議会指導者であるキーア・ハーディーからとって、キーア・スタマーなのです。
10代の頃は彼は奨学金で学校に通いつつ労働党の政治に積極的に参加していた。
労働党の青年団にも入り、リーズ大学法学部に入学し卒業。
オックスフォード大学の民法学士で卒業しました。
法曹界、法の番人へ
スターマーは1987年にミドル・テンプルの法廷弁護士となり、
2009年にはミドル・テンプルの弁護人となった。
人権問題やマクリベル事件をはじめとする訴訟を担当し、
2002年においてはわずか39歳で女王顧問弁護士に就任します。
その後にダウティ・ストリート・チェンバーズの共同代表後、
北アイルランド警察委員会および警察署長協会の人権顧問を務め、
外務連邦省の死刑諮問委員会のメンバーなど
中央や政界にもキャリアを歩み始めていました。
人権を重視したキャリアこそがスタマー氏の魅力と言えます。
特に北アイルランドでのキャリアが彼の人生を変えたと
後に述べます。
ウィキペディアの内容を翻訳し載せますね。
"Some of the things I thought that needed to change in police services we achieved more quickly than we achieved in strategic litigation ... I came better to understand how you can change by being inside and getting the trust of people" 「警察業務を変える必要があると考えていたことのいくつかは、戦略的訴訟で達成するよりも早く達成できた。 内側にいて人々の信頼を得ることで、どのように変化できるのかをよりよく理解できるようになりました。」
2008年9月、スタマー氏はクラウン検察庁 (CPS) の新しい長官および
検察局長に任命。
弁護士としてではなく、今度は検事としてのキャリアを進めます。
人権を意識した検察官としてのキャリアを歩み始めたスタマー氏ですが、
2009年の『1998年の人権法廃止』に「我が国国民の人権に関する明確かつ基本的な声明」であると擁護したり、
2011年には「初の試験ペーパーレス審理」を含む改革を導入したりしました。
さらにその間にも議会経費スキャンダル後の虚偽会計、いわゆるイギリスの
政治とカネの問題に対し、労働党議員3名と保守党議員1名を訴追するという
CPSの決定を発表するなど、議会や法曹界にも厳しい追及を行っています。
その後も様々な刑事事件を担当し、スタマー氏はついに政界に行きます。
政界入り
2012年2月、スターマーはエネルギー・気候変動担当国務長官
クリス・ヒューネとその元妻ヴィッキー・プライスがR対ヒューネ事件で
司法の方針を歪曲した罪で起訴され、夫は辞任を余儀なくされました。
ついにスタマー氏は閣僚までも弾劾し始めたのです。
すごい検察官ですね。
"Where there is sufficient evidence we do not shy away from prosecuting politicians"「十分な証拠がある場合には、我々は政治家の訴追を躊躇しない」
さらに2013年、スターマーは、ジミー・サヴィルの性的虐待スキャンダルを
受けて、過去の告訴を検討する委員会を含めた性的虐待調査の取り扱い方法の
変更を発表しました。
ジミー・サヴィルについて分からない日本人もいるかと思いますので、
簡単に訳しますと、イギリス版ジャニー喜多川です。
2015年の英国総選挙でホルボーンとセント・パンクラスの労働党英国選挙区
で初当選を飾ります。
スタマー氏、ついに労働党の国会議員となりました。
そして労働党の代表戦後に、新代表に就任されたコービンの下で影の移民大臣に
任命されましたが、のちにコービンの指導力に抗議して辞任しました。
"simply untenable now to suggest we can offer an effective opposition without a change of leader". 「指導者の交代なしに効果的な反対運動を提案できると示唆するのは、今となってはまったく支持できない」
ちょっとね、この発言に近いことを日本でやってた立憲民主党の国会議員が
いたのですが、誰だったんでしょうね？
2016年にはイギリスはEUを離脱する方針をとったメイ政権において、
スタマー氏は政府の英国の欧州連合（EU）域外への行き先について疑問を
示し、ブレグジットには政府が多数の新法を迅速に可決する必要があると主張。
特にブレグジットが起きれば、EUの加盟している国民が将来的に就職で
内定が出てイギリスに移住した際のことを考えるとなお、
イギリスとEUの間でこれまでと同等に等しい部分を残す対応が好ましいと
考えた発言がありました。
労働党自身もブレグジットには賛成でしたが、保守党の強行姿勢には反対だった
と言えます。
労働党党首就任へ・首相の道
2019年の総選挙では労働党は1935年以来最悪の選挙敗北を喫し、
保守党は80議席の過半数を獲得した。コービン代表の時代は終了し
辞任を発表。
2020年の代表選で勝利したスタマー氏は労働党の代表に就任しました。
コービンの左派路線から脱し、中道路線に切り替えたスタマー氏は
ジョンソン首相と対峙します。
2022年までにスターマーは、
水とエネルギーの国有化、授業料の廃止、EU内での自由な移動の擁護
といった政策を掲げ、中道的な路線を示します。
しかしスターマー党首の中道姿勢は党内の左派候補者を
地方で出馬を阻止したり、さらに黒人や
反イスラム主義の方々に対する差別も増え、
労働党は2021年中に約10万人の党員を失うなど、
岩盤支持層が離れている部分も一部あります。
反ユダヤ主義の謝罪・イスラエルハマス対応に追われ
スターマー代表はイギリス国内において
保守党の支持率が低く、労働党が2023年の地方政界で
急速な躍進を遂げたことで、政権交代は近いと言えます。
しかしコービン前代表の反ユダヤ主義の発言や
イスラエル・ハマス問題において、
イスラエル側に対する対応とテロを支持しないよう
停戦という言葉を労働党内でされるのは反対でした。
その結果、影の内閣の数名規模が実際に停戦を支持し、
辞任され極左やリベラル層の不満はますます代表の指導力に
向けられております。
政権交代が近い一方で、最大野党の労働党には厳しい試練が
待っています。果たしてどうなるか？注目です。
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