元スイミングコーチの独り言 16本目
プールでの安全管理のお話
私が勤めていたスクールでは、「コーチは補助がすんだら、必ず左側へよける」という決まりがありました。
安全上の理由からこのようにしていたのですが、今日はスイミングスクールでの安全管理についてのお話をいくつか。
プールは右側通行が基本。
競技などで一人1コース使うのであれば、堂々と真ん中を泳いでいただくと良いのですが、練習などで複数の人が一つのコースを使う場合、道路と同じで、「右側通行」が基本となります。コースの底にあるラインを半分の目安にして、右側を泳ぎます。
これは、スクールに通う子どもたちだけでなく、大人の方も同じです。
コーチは背中を見せるな!
ゴ○ゴ13ではありませんが、コーチは「子どもを自分の背後に回さない」というのが鉄則です。必ず自分の視界に指導する子どもたちを入れておくことが大前提です。
「それと、コーチがよける方向とどういう関係が?」
先ほど、「プールは右側通行が基本」と書きました。右側通行で右によけると、復路を泳いでいる子を背後に回す形になりますね。また、この辺で泳いでいる子ども、待機している子どもも視界に入りません。また、泳いでいる子の邪魔にもなります。
図で説明すると、
これが(コーチから見て)左によけると、いま指導している子どもはもちろん、復路を泳いでいる子ども、待機している子どもを見渡すことができます。
こういった理由から、「補助が終わったら、左によける」決まりなのです。
指導しているときの目配りポイント
内容について説明します。
1について。小学校4年生くらいまでの子どもの指導時には、通称「ベンチ」と言われる台をプールに沈めて水深の調節をしていました。(イラスト参照)
多少水に慣れて泳げたりすると、子どもは潜りたがるんですね。潜って遊んでいると他の子の迷惑になるばかりか、ベンチがずれて思わぬ事故を招くことがあるので、厳しく注意していました。(手足を隙間に挟むなど)
2について。これもほぼ1と同じような理由から。ちゃんとベンチに乗れているか、足をついて立ち上がっているかを確認していました。
3について。これは、遠足のバスなどでもよくやる「点呼」ですね。プールサイドには、プールガード(監視員)が常駐しているので、練習の前後に参加した人数を記録・チェックしてもらいます。
いずれも「一点注視」はせずに、常あちこちの子どもたちの動向を気にしつつ…(視界の端のどこかに必ず子どもが入っている状態)指導を行っていました。
はたから見ていると、常にキョロキョロしているような感じですね。
プールガード(監視員)の仕事もあります。
プールガード(監視員)の仕事もスイミングスタッフの仕事でした。(私が勤めていた施設ではそうでした。)
自分が担当のレッスンがない時間でシフトを組み、回していました。
専用のビブスを着用して、監視用のハイチェアに座り、1時間、監視をします。
非常ベル用リモコンスイッチもあったかも。
プールサイドを走っている子どもや、待機中にふざけている子どもがいれば、メガホンやホイッスルを使って注意します。何かの時は、手元のトランシーバでコーチルームに連絡をするようになっていました。(たまにメンバーさん対応のために呼んだりがありました)
…一応、座ってやる業務なんですが、これが結構過酷でして。
1時間だけとは言え、かなりな集中力を要するので大変でした。特に昼ご飯後のシフトは鬼門。間違いなく睡魔が襲ってきます。でも、絶対に居眠りはできないので、それこそ頬を叩いたりして必死に眠気覚ましをしてました。(;^_^A
で、監視用のイスの位置が天窓に近くて、ちょうど今ぐらいの時期から暑くなってくるんですよ。さらにどうしても日焼けするので、夏でもないのに水着の跡がついていたりしました。
若かったですねー。当時は冬場になると日焼けも元通りだったのに、今だったら絶対繰り越してます。
交代の時も気を抜けません。
これからプールでバイトしようと思ってる人へ
これから夏になると、レジャープールでアルバイトの募集が出てくる頃かと思います。そういうとこで監視員のバイトをしようと思っている方に言いたい!!
「座ってるだけで楽勝♪」などとは決して思わないでください。脅すつもりはありませんが、「溺れる」のは、割と静かに起こります。気づいたら、沈んてた…みたいにね。あからさまに「助けてー!!」となることは少ないです。
なので、心して監視のお仕事をしてもらいたいと思います。マナーを守らないで逆切れする輩もいて大変かとは思いますが、頑張ってください。
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