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元スイミングコーチの独り言 8本目

プールでちょっとだけ「ハナタカ」になれるかも?な話。

夏休みに、友達・家族でプールに行ったという方もいらっしゃるかと思います。

まぁ、ウォータースライダーだの、流れたり波が打ち寄せるプールも楽しいんですけど、私のようなアラフィフ位になるともうはしゃぐのがしんどいから、浮き輪でたゆたう方がいいやってなってきます。(もしくは完全UV遮蔽スタイルで荷物番とか)

で、この「浮き輪でたゆたう」も、ちょっとした小ワザで、ハナタカになれるかも。今日はそのお話です。

手のひらの動かし方ひとつで。

クロールなど、水中での手の動かし方は、こう、直線的な軌跡で動かしていると思いがちですが、(図1)

スカーリング1


実際はこんな感じで曲線を描いて動かしています。S字を描く感じでしょうか。(図2)

スカーリング2

特に重要なのが「手のひらの動き」で、この動きのことを「スカーリング」といいます。

図2の手のひらの動きのイラストを拡大すると、こうなっています。
微妙に手のひらをヒラヒラさせている感じが伝わると良いのですが…。

無題414


この「スカーリング」という動作は何のためにやるのかというと、水を捉えることで揚力と推進力を得るためです。シンクロの(最近はアーティスティック・スイミングというそうですが)水中映像だと良くわかるのですが、水中で細かく手のひらを8の字を描くように動かしているはずです。

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泳ぐ際にはシンクロほど動かす必要は無いのですが、これが上手くできると速くカッコよく泳げるようになります。

泳がないまでも、浮き輪でたゆたって方向転換する時に「地味に」役立ちます。

ちょっと練習してみましょう。

スカーリングのやり方を簡単に説明。

手のひらだけの簡単な練習なら、自宅のお風呂でもできるので、試してみてください。

手のひらは力を抜いて軽く拡げる。手のひらにタマゴを置いているような感じ。

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まず最初は、その手のひらの状態で水平に∞(無限大)のマークを書くように動かします。マークの軌跡を手のひらでなでていくような動かし方です。

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段々と作画崩壊してきてますが…。

次は手首を立てて「バイバイ」をするような感じでやってみましょう。窓拭きの動作またはWinkの「淋しい熱帯魚」の振りをイメージ。(♪ユラユラスイミン~♪のところ)

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その次は幽霊の「恨めしや」の手の形をして無限大マークを書いてみます。ちょっと難しいですが、指揮者のようなイメージで。

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デッサン力の無さはどうしたもんですかねぇ…。

この動きで何ができて、どうハナタカなの?

頭に?マークが3個位くっついている方がたくさんいると思います。

スカーリングができると、水中でちょっと不思議な泳ぎ方(動き方?)ができるようになります。

では、実際にプールでやってみましょう。

実践編 基本

犬かき又はセレブ平泳ぎのように頭を上げて泳ぐ姿勢を取ります。足は軽くバタ足で体勢を保ちます。体勢を取るのが難しい時は浮き輪などを使っても良いです。

その姿勢で、スカーリング「バイバイ」をやってみてください。
するとあら不思議、バタ足をしているのに身体が後ろに進んで行くはずです。

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次は、その姿勢でスカーリング「恨めしや」をやってみましょう。ちょっと難しいかもですが…これもあら不思議、今度は体が前に進むはずです。

どちらも手を動かすのは体の正面、肩幅より少し広い範囲で動かすのがポイントです。

但し、スカーリングしたからといって、華々しく「シューッ!!」という風には進まないので、ご了承ください。

実践編 応用

これは仰向けで浮かぶことのできる方、背泳ぎができる方向けです。

気をつけの姿勢であおむけに水に浮かびます。体勢を保つ程度に軽くバタ足をします。
次に手首を立てて、腰のあたりでスカーリング「バイバイ」をしてみましょう。

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…これは、普通に頭の方から進んで行きます。見た目的にあんまり不思議じゃないですね。(・_・;)

次は、スカーリング「恨めしや」をやってみましょう。地味ではありますが、足の方へ進んで行くはずです。

スカーリングができると、「えっ、バタ足してるだけなのに何で後ろに行ったりするワケ~?!」と地味に受けます、多分。

このスカーリングネタは、スクールで進級テスト後のお楽しみの時間や、レッスン時間が余ったりした時にやっていました。
進級テストの後はプールサイドでテスト終了までそのまま座っている事もありましたが、それでは子どもたちもつまらないので、他のクラスの邪魔にならず、かつ、安全に遊べるネタとして結構活躍してました。


次回は「背泳ぎ」についてです。

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