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この本がよい 「鬼学 Oni-ology」

昨日は節分だったということで、鬼に関する絵本を紹介したいと思います。

「鬼学 Oni-ology」
今岡義和 著  今人舎 刊 1900円(+税)

画像は一部付箋を貼っています

「えっ、これが絵本?」というような表紙ですが、一応、図書館の児童書コーナーに置いてありました。
鬼に関する民話が書いてあるのかと思いきや、民話以外にも鬼の祭りや起源、暮らしぶりなど、鬼に関するあらゆる考察が豊富な絵と仕掛けとともに述べられています。

内容は民俗学の論文を子供向け絵本にしたような感じ

例えば、なぜ鬼は顔が赤く大きな体なのかという考察では、昔、里の人間が、山奥で製鉄を生業とする人々の容貌を見たからではないか、ということが述べられています。というのが、製鉄業の人々は、炎にあおられて顔が真っ赤になっており、山奥では主に狩猟で生活の糧を得ていたことから、日常的に肉を食べる暮らしで体格が良くなったためであろうと筆者は説明しています。

音声も聴ける

絵本には、ふせんのような所をめくると、違う絵が現れる「めくり」というおなじみの仕掛けの他に、本文中の金棒アイコンを専用の「音筆」(おんぴつ)という音声再生ペンで触ると、筆者の肉声がきこえるというハイテクな仕掛けが施されています。

本文中にいくつかあります

音筆」については、今人舎 http://www.imajinsha.co.jp をご覧ください。

鬼からの挑戦状?

最後にこの本には著者からの「謎」が記されています。

それは著者からの手紙で、その中に象形文字のような不思議な文字が列記されています。

これは「鬼文字」というものらしく、裏表紙に鬼文字の読み方なる表があります。

表を一部抜粋

著者曰く、「この鬼文字で記されている事が、鬼学の結論」だそうです。
…解読してみました。ここからはネタバレになるので、興味のある方はぜひ図書館で。

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