指輪物語についてまとめてみた<エルフたちをピックアップ>


指輪物語(/指輪の王)
The Lord of the Rings(英)/Le Seigneur des Anneaux(仏)/Il Signore degli Anelli(伊)/Der Herr der Ringe(独)

イギリスの作家、J・R・R・トールキン(John Ronald Reuel Tolkien(1,892/01/03~1,973/09/02))によるファンタジー小説。
1,937年に発表された『ホビットの冒険(The Hobbit)』の続編として、1,954~1,955年に渡り全3巻出版されました。

第1巻:『旅の仲間(The Fellowship of the Ring)』(1,954)
 ├第1部:影の帰還(The Return of the Shadow)
 └第2部:指輪の仲間(The Fellowship of the Ring)

第2巻:『二つの塔(The Two Towers)』(1,954)
 ├第3部:アイゼンガルドの反逆(The Treason of Isengard)
 └第4部:モルドールへの旅(The Journey to Mordor)

第3巻:『王の帰還(The Return of the King)』(,1955)
 ├第5部:指輪戦争(The War of the Ring)
 ├第6部:王の帰還(The Return of the King)
 └追補

 著者のトールキンは言語学の権威であり、ヨーロッパの神話に大きな影響を受けた人物です。
北欧神話にルーツを持つエルフが用いるとするエルフ語の作成などは、それを象徴する代表的な試みです。

 『指輪物語』は今日ある姿のエルフ、ドワーフ、ミスリルなどの祖であり、そのため現代ファンタジー界の父とも呼べます。

 エルフは元々人間とごく近い存在で、人間に混じって踊っていたりする時などにその正体を指摘されるなどの、人間との酷似性を強調した逸話が古い物語には多く存在します。
『指環物語』に登場したエルフも人間と差異のない存在として描かれているのですが、この作品以降、差別化を目的として、尖った耳や長身、吊り目など、今日イメージする特徴が付加されていくこととなります。

「指輪物語」は、J.R.R.トールキンの書いたファンタジー小説です。ファンタジーと言っても、ふわふわと夢のようなお話ではなく、馬が大地を踏みしめて駆けるように、力強いドラマなのです。
戦のシーンがとても多いので、馬も沢山出てきます。だからって勿論それだけでは、いくら馬好きの私でも、こんなにはまらないわけで、それ以外の登場人物(人以外も)のそれぞれのキャラクターのしっかりした、そして彼らがただ力だけではない物を信じて、戦うドラマが感動を呼ぶのでありました。

ここではごく簡単に、ご紹介します。詳しく知りたい方は、リンクページからいろいろ飛んでいって見てください。本当は、本を読むのが一番いいとは思います。ただ、文庫本にして9冊。さらに、経験者も、もしかしたら多いかと思うのですが、一冊目の展開のゆっくりさに挫折する人もいらっしゃいます。ただし、こののんびりさこそが、この後の主人公フロドをはじめ皆の原動力になっているのでありました。

◆物語


サウロンが作った「一つの指輪」を、ビルボから譲り受けたフロドが、悪の復活を阻止するべく、唯一指輪を破壊する事のできる、滅びの山まで、捨てに行くお話。そしてその旅と、仲間達のそれぞれには、思わぬ展開が待っているのでした…
(簡単すぎ?)本当に、読めば読むほど面白いおはなしです。


◆言葉を話す者達


お話の舞台「中つ国(なかつくに)」には、人間以外も沢山住んでいます。ひっくるめて「言葉を話す者達」というような表現もされます。


■ホビット


旅の仲間では、「指輪所持者」フロド、フロドを助けて旅をする忠実な庭師サム、フロドの従兄弟メリーとピピンがそうです。
フロドに指輪を譲り渡した義父のビルボなど、主要メンバーがホビットです。「小さい人」とも言われます。
身長は70~120㎝くらい、手先が器用で靴意外の物は何でも作る。そう、彼らはもしゃもしゃ毛の生えた足をして裸足で歩くのでした。そして、音を立てずに歩くことも、人の目に付かずに隠れる事も得意なので、他の種族にはほとんどその存在を知られていません。


■人間


旅の仲間では、野伏の首領で馳夫(はせお)というあだ名を持つアラゴルンと、ゴンドールの執政の長男ボロミアです。
アラゴルンは、古い王様の家系なので、200年位生きる一族です。ボロミアは高貴な血が流れているとはいえ、長い年月の内にはだんだん寿命は短くなっていて、多分今の人間くらいのようです。ボロミアの国ゴンドールと同盟を結んでいる、ローハン国も同じ人間です。他にも、人間の国はいろいろあります。
闇の勢力である、モルドールに与する人間も沢山います。指輪物語は人間、エルフ、ホビット、連合軍と、オーク軍との戦いではないのです。

■ドワーフ


旅の仲間では、グローインの息子、ギムリがそうです。
ホビットより少し大きくてがっしりしている種族。実はエルフより先に作られた種族なのですね。やっぱり長命で、数百年位。女の人にも髭があるという説もある(男女の見分けがつかないそうです)。宝石や金属加工、土木工事に長けていて、モリアの素晴らしい地下宮殿などを作っています。ただし、あまり他の種族とは付き合わず、特にエルフとは犬猿の仲。


■エルフ


旅の仲間では、闇の森の王スランドゥイルの息子、レゴラスがそうです。
他に、ガラドリエル、その孫のアルウェン。エルロンドはアルウェンのお父さん。
この世にはじめに(神様達の次に)生を受けた種族(その後がドワーフ)。彼らは、普通に生きていれば死ぬことがありません。そして大変美しい。ただし戦争で殺されたりはします。魂は西の国に行って、消えることは無いようですが。
PJ版映画の設定では、レゴラスは2931歳だそうです。根拠は不明。勿論エルロンドはもっと年上だし、ガラドリエルはそれよりもっともっと上です。


■魔法使い(賢者)


旅の仲間では、灰色のガンダルフがそうです。
白のサルマンもそうです。この世に5人しかいない方たちで、あと茶色のラダガストが登場しますが、残りの青いお二人は指輪物語には登場しません。
彼らもエルフと同じように長生きらしいです。魔法使いと言っても、サリーちゃんみたいに(?)気軽に魔法は使いません。ここぞと言うときに使うだけ。ガンダルフは、移動はもっぱら馬がお気に入りです。大鷲にも乗りますが。


■エント


「木の牧人」とも言われ、すでに伝説になろうとしている、不思議な存在です。木を切り倒すオークを嫌っています。


■オーク


オークはゴブリンとも呼ばれる、残酷で邪悪な種族です。武器や鎧を作る事には長けていますが、美しい物とは無縁。オーク軍の統率は、恐怖による物です。ちょっとした諍いで殺し合ったり、部下の首をはねてしまったりします。狼に乗ったりもします。


■サウロン(これは種族でなく冥王の名前ですが)


「一つの指輪」を作った、本来の持ち主です。かつては人の形もあったようですが、すでに遥かな昔から、霊的な存在になっています。やっぱり、ガラドリエルと同じくらい前からいる存在です。
約3000年前の、エルロンドやイシルドゥア(アラゴルンのご先祖)達との戦いで、すべてを統べる指輪を失って、力も弱くなっていましたが、だんだん復活してきて、あとは仕上げに指輪を取り戻そうと、本格的な活動をはじめたようです。部下には、オークや悪い人間達がいます。


■ナズグル


黒の乗り手はナズグルの、人に見えるようにする為の仮の姿。彼らは「指輪の幽鬼」ともいわれる、サウロンの作った9つの指輪をもらった人間の王様達で、その魔力によって、手下にされてしまったのでした。


■ゴクリ(これも種族でなく名前ですが)


本当はスメアゴルという名前です。のどをゴクリとならすのでついたあだ名です。元はストゥア族というホビットの一人だったようです(フロドたちは、ファロハイド族)。指輪を手に入れた為に、その魔力により500年も生き続け、肌のぬめぬめした臭い生き物になってしまったのでした。数十年前に、ビルボに指輪をとられてから、ビルボを憎み、指輪を求め続けています。

これらをご覧いただければおのずと頭の中に物語が広がってくるようではないでしょうか。



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