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おまじない大好きっこ

少女時代は、お約束のように、『マイバースディー』を愛読していた。毎月の占いを下敷きにはさむのは鉄板で、本物かどうか、よくわからない石のついたペンダントなんかを購入して、それを持っていると、なんだかいいことがあるような、そんな気持ちだけで、毎日が楽しかったあの頃。

見えない世界、スピリチュアル、高次からのメッセージ、パワーストーン……それらの大半が、自分にとって、あまり必要のないものになりつつある。正直、昔から持っている大量のパワーストーンの処分に、今困っている状態だし、手入れを済ませて欲しい人にあげようとも考えている。

現実を動かす力がなかった頃、わたしはたくさんのお願いを、見えない存在たちに続けてきた。今も祈りはするけれど、祈る前に、お願いをかける前に、気が付いたら走り出している。

スピリチュアルとは、すでに自分の中にあるものだから、いちいち探す必要はない。「信仰」という言葉で説明をするのなら、どんな時も一人ではないから、なんでもできる。そんな感じかもしれない。

恋をしていたあの時、何をどう頑張ればいいのかわからなくて、たくさんのおまじないをかけてきた。そのおまじないは、恋を叶えてはくれなかったけれど、本当に必要な人と出会い、繋がりが生まれた時は、おまじないなんか、いらなかった。

体から生まれる行動の力に感動をする。人間というボディから生み出されるいくつも可能性に胸を打たれる。物質は重く、だからこそ、動かす時にとても強い力が必要だ。その力が、今はもっと欲しい。

現実が怖くて、何度もこの体から逃げ出したわたしの精神は、今、ここにいる。居場所は空の上ではなく、地上の塵にまみれた此処。おまじないをどんどん手放した時に、また新しい自分と出会えそうな気がする。全てのおまじないを思い出にすることが、最終目標の一つなのかもしれない。



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