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灼熱カバディ20巻の発売日でした

 こんにちは、雪乃です。なんだか最近「北斗の拳」の話ばかりしている気がする当アカウントですが、今日はメインジャンルに里帰り。タイトルにもある通り、「灼熱カバディ」20巻の発売日です。さらっとですが感想を書いておこうかなと思います。

 20巻は191話から201話までが収録されています。マンガワンで全話リアルタイムで読んではいましたが、やはり191話〜201話は全話を通して見てもダントツで重い。ですがそこが良いんです。

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 帯に「人はいつ、夢見た未来を手放すのか——」と書いてある通り、核となるのは理想と現実の乖離。現実の解像度が上がれば上がるほどに苦しみ、いつしか自信を失い、そして楽しささえも見失う。夢を見ることができなくなったそのときに、人はどう現実と向き合うのか。普遍的で、なおかつ目を背けたくなってもいつか向き合わなければならない「現実」が凝縮された巻です。そしてこの核となる部分を担っていく奥武の部長・山田駿にはマジで情緒をめちゃくちゃにされました。大好き。

 自分の才能の限界を感じたとき、それにどう折り合いをつけていくのか。大人でも答えの出ないテーマに向き合っている高校生たちの姿を見ているだけでもう号泣。何回読んでも思うけど、これ高校生が背負っていい宿命じゃないだろ。

 あんまり深いこと言うとネタバレになっちゃうので言いませんが、やはり「宗教画」の見開きが圧巻。マンガワンで読むとスマホの特性上どうしても見開きが分割されてしまうので、一枚の絵として見開きを見られるのはやはり単行本ならではです。

 そして全体の流れを意識しながら一気読みできるのも単行本ならではの楽しみ。マンガワンで毎週奇声を発しながらリアルタイムで読むのも好きなんですけど、単行本で読むとマンガワンとはまた違った、より実際の試合のテンポ感に近い別のリアルタイム性が感じられて好きです。試合の流れに感情の描写や心象風景を入れてもまったくテンポが悪くならないからすごい。

 20巻はインド出身の選手・ヴィハーンがキーパーソンなのですが、彼には「カバディはインドではメジャースポーツである」がゆえに背負っているものがあり、それがもう本当にしんどいんです。カバディを題材に取ることでしか描けないエピソードが詰め込まれている20巻、本当にしんどくて、でも最高に心が揺さぶられます。

 奥武の話が多くなりましたが、忘れちゃいけないのが我らが能京。記念すべき200話が主人公である宵越のスポーツマンとしての品格が感じられるエピソードで大好きです。あと我が最推し・王城さんの持つ技術「カウンター」について掘り下げられるのも20巻だったりするので、作品を考察していく上でも見逃せない巻です。カウンター以外にも魔王度に磨きがかかっておられるのでとにかく20巻は必見。

 王城さんといえば、20巻ではお父さんがチラッと出てきます。今でも顔が正面から描かれたことはないので全貌は明らかではないのですが、20巻で少し人となりがわかったような気が。口のあたりを見る限り確かに面差しがめちゃくちゃ王城家のDNAです。王城さんが年齢を重ねられたらこうなるんだろうな、と思うにつけ王城さんと同じ世界線に生まれてきたかったと心の底から思います。同じ速度で年を重ねていく王城さんをこの目で見たかった。

 帯にもちゃんと「舞台化決定」って書いてあってなんか嬉しい。ビジュアルも少しずつ公開されてきていますし楽しみです。とりあえず井浦慶が井浦慶すぎて卒倒しました。再現度高くない……?王城さんのビジュアルが公開されたらたぶん私は気が狂う。
 あとはチケットの当落を見るだけです!!!緊張で死にそう!!!!当たってくれ!!!!!

 私の最近の記事を見ていただけるとお分かりになると思うのですが、当方ただいま舞台化をきっかけに「北斗の拳」にハマっておりまして。舞台をきっかけに「灼熱カバディ」に初めて触れる人は今の私と同じ状況に早くなってほしいと常々思っております。それくらい舞台でやるって一大イベントなので……。

 21巻も楽しみです。本日もお付き合いいただきありがとうございました。


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