マンガ沼で「東独にいた」が紹介された話②

 こんにちは、雪乃です。今週のマンガ沼も「東独にいた」特集でした。ありがたい。前回書いたものはこちらから。↓

 今回もヤバかった……!まさか「違う顔」が人気キャラとして地上波で紹介される日が来るなんて思ってませんでした。ここはなんて良い世界線なんだ。
 「違う顔」は番組内でも言及がありましたが、違う顔独自の言語を話すという設定があります。この違う顔独自の言語が垣間見えるのが以下のセリフ。

おります頂いて報酬の前金はすでに理由がありませんノアゾン殿から私に断る……

違う顔曰く、独自の文法に「引っ張られる」とこうなるようです。なおこのセリフを日本語の語順で言い直すと以下のようになっています。

報酬の前金はすでにノアゾン殿から頂いております
私に断る理由はありません

たったこれだけのシンプルなセリフなのですが、語順を入れ替えるだけで違う顔の異質さや独特の存在感が際立つ。言語を用いた非常に鮮やかな演出で、大好きなセリフです。

 違う顔には部下が何人かいるのですが、部下たちの名前はいずれも人工言語に由来することが伺えます。それらの人工言語は、どれも異なる母語を持つ人の間でコミュニケーションを取るために開発されたもの。ソルレソルとかが顕著でしょうか。
 誰とも母語を共有しない違う顔が、共有されるための言語の名前を部下につけているとしたら、なんだかエモくないですか。

 番組内では先生ご本人から、活字を使ったマンガならではの演出のお話も聞けて嬉しかったです。
 私が好きな活字を使った演出は、やっぱり5巻に収録されている23話。アナが自分を襲撃した犯人を見つけ出すシーンで、「否」の文字には「シロウト」、「合」の文字には「クロウト」が重ねられている演出。「東独にいた」は文字に文字を重ねる演出が多いのですが、このシーンは特にアナの軍人としての思考回路をそのまま視覚化したようで、最初に読んだ時にはめちゃくちゃ痺れました。

 「東独にいた」、続きを永遠に待機しています。

 本日もお付き合いいただきありがとうございました。

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