生まれて初めてプリキュア映画を観て、そして泣いた

 こんにちは、雪乃です。観てきました、今年のプリキュア映画。「映画トロピカル―ジュプリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪」。プリキュアにちゃんとハマったのが今作「トロピカル―ジュプリキュア」からなので、プリキュアの映画を観るのが人生初です。

 ちなみに私は、初代プリキュア――「ふたりはプリキュア」をテレビで見ていた世代。その後続編に当たるプリキュア2作目の「Max Heart」、3作目の「Splash Star」までリアルタイムで追ったのち、一旦離脱。成人してからプリティーシリーズや仮面ライダーを含めニチアサをリアタイ視聴する習慣がつき、トロピカルージュプリキュア(以下トロプリ)からもう一度視聴を始めました。トロプリを観始めてから毎週日曜日は必ず7時半に目が覚めるようになったので生活リズムが整い、大変感謝しています。

 トロプリのテーマはコスメ。リップやチークをモチーフにした変身バンクが可愛くてカッコいい。そして「今、一番大事なことをやる」というテーマが貫かれていた脚本に時に涙し、笑い、キャラクターの成長に感動し、大変充実した日曜の朝を過ごしております。

 そして今回の映画。普段のトロプリは夏の太陽に照らされたような暑くて熱い作品ですが、映画で舞台となるのは雪の王国シャンティア。シャンティアの王女であるシャロンの戴冠式にプリキュアたちが招かれて……というストーリー。

 テレビでは見られなかった新しいキャラクターたちの私服が可愛かったです。そしてシャロンの前で誰よりも礼儀正しく挨拶をするローラの姿に、ちゃんと女王候補なんだなあ、と実感。
 シャンティアの紋章やシャロンの王女らしい衣装も豪華。アニメージュ11月号に掲載された記事に「アジアのテイストも入れていきたい」と書いてあったのですが、言われてみると確かにアジア。王道プリンセスな要素にアジアンテイストが入ったシャロンの衣装も、モチーフはあれど特定のどこの国、と断言できないデザインがエキゾチックかつファンタジー感があって唯一無二で、とにかく素敵でした。ところでシャロンの髪型どうなってるの?

 今作ではトロプリ勢だけではなくハートキャッチプリキュアのキャラクターも登場。私は一度プリキュアを中退してしまった身なのでハトプリをリアルタイムで視聴してはいないのですが、先輩としての頼もしさをすごく感じました。ハトプリもちゃんと視聴したいです。そしていつか、トロプリの面々もこうやってOG的な感じで何年後かの映画に出るのかな……と考えて感慨深くなるなどしました。

 あとプログラムを読んで知ったのですが、月影ゆりさんって高校生なんですね。不勉強なものでプリキュアは何となく中学生くらいまでのキャラクターだけなのかな~と思っていたので驚きました。

 以下、ガッツリ本編のネタバレです。






 今作の軸はグランオーシャンの時期女王候補にして人魚の歌姫であるローラ。ハトプリメンバー・来海えりかちゃんとぶつかったり、シャロンと打ち解けたり。ローラの感情がひとつひとつ丁寧に追われていて、ローラ推しとしては大変嬉しかったです。

 特に、いつか自分が女王となった暁にはシャンティアとグランオーシャンで国交を結ぶことをシャロンと約束するシーンがすごく好きで。普段のローラは素直で自分に自信があって、どこまでも等身大の女性。でもその「等身大」のままでグランオーシャンのことを考えられるひとなんだと思い、さらにローラが好きになりました。

 華やかな戴冠式のシーン。新しい女王の誕生の場であるにも関わらず、国民の姿が一人も見当たらない、不穏な情景。

 そして、シャロンの豹変。国中を激しい吹雪で見たし、怪物を出現させ、空を閉ざし、戴冠式のゲストたちを拘束していくシャロン。帰ることができなくなってしまったプリキュアたち。変身シーンへと繋がっていきます。

 変身バンクが全員単独、かつ全員分がフルバージョンで披露されたのは本当に映画ならでは。変身バンクで流れるBGMが好きなのですが、テレビアニメよりも長い尺で聞けて大満足でした。香水で変身するハトプリの皆も可愛くて。変身は永遠のロマンです。

 シャロンがゲストたちをシャンティアに閉じ込めた理由。それは、王国を取り戻すためでした。シャロンの祖国であるシャンティアは、実はとても古い時代に存在した国。王女として生まれたシャロンが女王になる直前、隕石の衝突で滅びてしまった国でした。
 シャロンは、皮肉にも国を滅ぼした隕石の力によって蘇った存在でした。両親も国民も祖国も、何もかもを失ったシャロンは、シャンティアの復活を望み、自分の戴冠式に招いたゲストたちを新たなシャンティアの国民にしようとしていたことが発覚します。

 私今作がプリキュア映画デビューなんですが、プリキュア映画ってこんなハードなんですか?シャロンの背負ってるもの、あまりにも大きくない?

 戴冠式の前にシャロンと、同じ次期女王(ローラは現段階では『候補』ですが)として心を通わせたローラ。ローラの幸せを願い、指輪を贈ってくれたシャロンの優しさを知っているローラは、咄嗟に仲間の攻撃からシャロンを庇ってしまいます。つ、つら~~~!!!
 さらにシャロンの力によって拘束されてしまうハトプリメンバー。落ち込むローラにまなつが尋ねたこと。それは、「今一番やりたいことは何?」ということでした。「今一番大事なことをする」という、トロプリを貫くテーマがクライマックスで輝く作劇に私は泣きました。さらに、ローラを励ますためにリップを塗ってあげるまなつでもう涙腺崩壊。メイクは自分を強くしてくれる、というもう一つのテーマが燦然と輝く演出。好きです。

 シャロンのために、彼女の宮殿へと向かうローラやまなつ。シャロンの凍り付いた心を溶かしたいという思いに共鳴するように光るのは、シャロンがローラに贈った指輪。そして指輪の力もあって、シャロンが生み出した巨大な怪獣を浄化したプリキュアたち。

 隕石の力で蘇ったシャロンは、隕石の力が失われていくにつれ消えていきます。そんな中で、シャロンが教えてくれたシャンティアの歌を歌い続けることを約束するローラ。ああ、だから今回の主題歌のタイトルが「シャンティア~しあわせのくに~」だったのか、と理解しました。

 シャロンが消えてしまったあと、戴冠式に招かれたゲストたちは、プリキュアを含め皆元の世界に帰ることが出来ました。そして地元のイベントでシャンティアの歌を歌うシーンで、エンディングへ。いや~~~良い映画でした。まさかこんなに泣くとは思ってなかった。

 劇伴もすごく良かったので、サントラ買おうかな~と思ってます。

 明日のテレビの方のトロプリも楽しみです。これからは毎年ちゃんと映画見るぞ~!

 本日もお付き合いいただきありがとうございました。