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おしゃれ番長グッズはGoogleレンズでは見つからない

初めてのドンペリが衝撃のまずさで幕をあけたパーティー

主催者がおしゃれさんで音楽に精通している人ということで、一代ムーブメントをおこしたシンガーソングライターやファッションデザイナー、評論家などなど、とにかくおしゃれさんたちが集っていた。

おしゃれさんたちは一般人が決して選ばないような服の形や色を華麗に着こなしてることで、とにかくおしゃれすぎてまぶしい。スタイルがいいからなんでも似合うんでしょ?というのは大間違い。

背が低い、高い、太っている、やせている、手足が長い短い、関係なくおしゃれさんたちは自分の体形を熟知し、着こなしているのだ。

洋服もさることながら、かけている眼鏡、ネックレス、靴、かばん、一つ一つシンプルなんだけれども全体を引き締め、きちんとアクセントとして主張させているのがさすがのチョイス。

や、やばい。あれもこれも欲しい。
私は自分でいうのもなんだが、まったくもっておしゃれさんじゃなく、雑誌でおしゃれを勉強することもしないから、基本は黒一色、白一色の無難な着こなし。が、ここでアクセントを取り入れたらおしゃれさんに変身するはず!これはなんとしても、手に入れたい。

こんなときに見方になってくれるのがGoogleレンズ。

いや、もうね、このレンズを知った時の衝撃は一言ではいい表せない。
この花なんだっけ?この建物誰が作った?などなど、画像を選択して検索したり、その場で撮影したり。

すると、これですか?あれですか?とさまざまなサイトを表示してくれる。

物忘れが激しくなってくるお年頃。Googleレンズさえあれば百人力である。

おしゃれさんの持ち物はどこのものぞとぶつぶつ言いながら、まずは足元をパチリ。一応、女だから見て見ぬふりをしているかもしれないが、完全な盗撮である。

本当は眼鏡やネックレスも気になるのだがそんな堂々とはさすがにできない。

足元盗撮をGoogleレンズで検索。どこかのブランドの靴が検索で出てくるかと思いきや、靴のECサイトから2,3千円の格安の靴が提示されてきた。おしゃれさんがそんな激安の靴を履くのだろうか・・・

しかも、さすがGoogleレンズでかなり似ている画像を引っ張ってきてくれている。が、拡大してよ~く見るとヒール部分やつま先の形など微妙に違う。
右から左から真上からといろいろな角度から撮影してみるが、これだ!と明解な答えが出ない。

パーティ特有の間接照明と足元の薄暗さがGoogleレンズの検索能力を落としているか。

靴は諦めて、次なるはイスにさりげなく置かれてあるかばんに注目。

こちらもさりげなくぱちりとやるも、どうも全体を撮影できない。

「かばん撮影させてもらってもいいですか?」

なんて聞いたら、「なんなのこの子?」と思われるだろうし、いきなり他人に

「このかばんはどこで買えますか?」

とストレートに聞いたとしても、「え?どういうこと?」

になるのが目に見える。

ストーカー呼ばわりされないように細心の注意を払い、なんとかGoogleレンズが認識できる画像をゲット。

ドキドキしながら検索を待つこと数秒。

靴と同じでECサイトの数千円のかばんがヒットした。
拡大してみてみるも、やはり手持ちのところが違うし、底の形も違う。

全部ちょっとずつ何かが違う。
う~ん、違うぞ、違うぞと、うなっていると友人が近づいてきた

「ちょっとあんたさっきから、スマホもって何やってるのよ。完全に危ない人だけど」

と言いながら連行された。

のども乾いたしとワインを飲みながら、かくかくしかじかと事の顛末を話すと

「ここにいらっしゃるおしゃれ番長さんたちの持ち物はそんじょそこらでは手に入らないものなんじゃない?ブランドもしかり。質はよいけれども同じようなデザインが並ぶブランドも選ばないんだよ。わたしは1点ものとみたね」

は!1点もの。この世でただ一つわたしだけのデザイン。

確かに、名だたるおしゃれ番長さんたち。ファッションに関する千里眼をもっているに違いない。

隠しているものがみえたり、未来のことを見通したりする千里眼はどんなに学習してもAIには見えない領域である。

代官山やら自由が丘、銀座とかのセレクトショップを歩きまくって探すか・・・いや、もうこの時点で財布の紐が固く閉ざされる。

おしゃれは真似するだけじゃなくお金も必要なのである。

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