小選歌集「ただならぬ夜」
福祉的失恋をした夕暮れの蛍光灯はいつもうるさい
テトリスが形をそろえ消えていく愛しているのでいつかそうなる
ひとりでにカーソルだけが震えてる遠くで山田が呼ばれてる
「ほんとうに人間ですか」Googleが問うそういえばわからなくなる
可愛いを「愛しげ」というふるさとに暴力ごとき雷が鳴る
義務として想い出があり空っぽのiPhone5しんと冷え
目的の無い花が咲いている丁寧に名付ける架空だけれど
この夜はただならぬ夜あなたより空がはだかになつたやうだよ
もしかして私の遺族となる人の忘れてしまった傘をさし
心臓のあたりをユーラシアとして滅亡都市のあなたを巡る
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?