小選歌集「世界は眠る」
そのむかしむかしあるところでこの星を終わりにしますさりげなく
自閉症の子の描いた絵をいつまで抱えるような海
からだ丸めて乞う愛が‘の’のゆるやかなカーブをすべりおちてく
青春に被爆している僕たちは「永遠」の名の飾りになった
あなたを見ているわたしを見ているあなたを見ている星が鳴いてた
かみさまはいるおれたちのだいすきなどうぶつのはなしをしてくれる
裸眼でも見えるあなたの確かさが私の肉を柔らかくする
怒りさえ熱帯魚の色をしてもう戻れない救ってゴジラ
一切を投げうるような真似事が好きでたまらぬブランコが揺れ
ぼうふらの咳が響いた新しい水いっぱいの世界は眠る
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