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幽霊屋敷とサンタナ・ロウ - 人生を彩るのが上手なアメリカの人たち

7月30日、日曜日。この日は長男が唯一「行ってみたい」と言った、ウィンチェスター・ミステリー・ハウスへ。「幽霊屋敷」と呼ばれている観光名所だ。

引用元:ウィンチェスター・ミステリー・ハウス公式サイト

インドア派で、アメリカに来てからも「出かけるの嫌」と言い続けていた長男だけど、「探検」や「謎解きミステリー」系はやっぱり好きみたい。私は、ちょっとでも彼に元気になってほしかった(環境の変化に慣れないのか、ずっと元気がなかったのだ)。

一方、実際に中に入ると私たちの想像とは違った。長男は「ミステリーハウスを探検し、隠された謎を解き明かす!」みたいなのを期待していたのだが、10数名のグループになって一人のガイドさんに案内してもらうただのツアーだった。

執事のような格好をした小柄なガイドの男性が「よかったら」と日本語のパンフレットをくれたが、1時間、彼の話を聞きながらついて回るだけなので子どもたちは退屈していた。暑くてのども乾くし、私自身もちょっと辛かった……。

英語のリスニングが完璧なら、もっと楽しめたのかも。

帰りはせっかくなので、ミステリーハウスの隣にあるショッピング街「サンタナ・ロウ」へ。カリフォルニアとヨーロッパが融合したような雰囲気で、足を踏み入れた瞬間、その陽気さに心が躍った。

私「わぁ〜、素敵だね! 見て〜!」
長男「……」
次男「……」(ツアーで疲れ切ってよたよた)

通りのあちこちで、ラテン系の音楽が演奏されている。カフェのテラス席では、大勢の人がお酒や食事を楽しんでいた。こちらの人たちは、休日を楽しむのが本当に上手だなぁ。

というのも、私たち日本人には、自分も含め「楽しむ方法」を知らない人が多いように感じる。学校でも家庭でも、「歯を食いしばって我慢し、努力し続けた人が幸せになれる」と教わってきたのだから仕方ないのかもしれない。休息しよう、気分転換しよう、と思っても、やっぱり予定を詰め込んだほうが安心するし、休んでいるとなんとなく後ろめたさを感じる。

アメリカでは、街の景観からもAirbnbのインテリアからも、「人生は楽しむためにあるんだ」という人びとの感覚が伝わってきた。

たとえばサンノゼの街は、私が見たどの道路も草がきれいに刈られ、アガパンサスという紫色の花がセンスよく植えられていた。建物の外観も色合いが統一されていて、「まずは視覚から人生を彩ろう」という文化を感じる。

Airbnbには、リビングのソファのほかに“読書のためのソファ”があり、マンション内のプールには毎回、イヤホンで音楽を聴きながら日光浴をする人がいた。

どっちがいい・悪いというわけじゃないし、日本人は今の気質だからこそ発展してきたのだと思うけど、「休んでいいんだよ」と言われているみたいで、なんだか心地よかった。

……が、そんな風に思いをめぐらせたのもつかの間。子どもたちの「早く帰ろう」コールで、サンタナ・ロウからは10分で退散することとなった。

帰りのUberでは、運転手の男性が「Hey guys!! うちにも男の子が3人いるよ。もう17歳と15歳と1◯歳(聞き取れず)だけどね」と陽気に話しかけてくれた。

【この日の出費】
Uber(宿→ミステリーハウス) 2,497円
売店(おやつ・ジュース) 787円
入館料(3人分) 12,707円
Uber(サンタナ・ロウ→宿) 2,854円
スタバ(パン4-5個と水) 3,276円
合計 22,121円

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