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事故から学ぶこと~玄倉川水難事故から24年~

8月14日、玄倉川水難事故から24年の月日が経ちました。
1999年8月14日、神奈川県足柄上群北山町にある玄倉川で発生した水難事故で、18名中13名が死亡しました。
事故から24年が経ち、リアルタイムで事故を知らない世代の方も多くなったと思います。
自分がこの事故から感じ取ったこと、考えたことをこの記事に書きたいと思います。

玄倉川水難事故とは

そもそも「玄倉川水難事故」とはどういった事故だったのでしょうか。
事故のあらましはWikipediaに詳しく書かれておりますので、そちらをご参照ください。

13名の死者を出した最悪クラスの水難事故ですが、この事故は「避けることが出来た事故」です。
再三再四の注意喚起を無視し罵声を浴びせかけ、その結果発生したのがこの事故ということです。
注意喚起に従っていたら、13名の人命は失われずに済んだのです。
事故の経過や模様は当時のテレビ番組で放送されておりました。18名が濁流に飲み込まれて流されていくという衝撃的な結末が、電波に乗り放送されてていたのです。
テレビで流れていた事故当事者のあまりにも自己中心的で身勝手な振る舞いやこの結末から、この水難事故はインターネット上で「DQNの川流れ」と呼ばれるに至っています。
事故当事者が引き起こした「自業自得」とも言える結末を揶揄する向きが多いですが、私はこの事故は決して他人事ではないと考えています。

アウトドアに潜む危険

この事故が水難事故であり、時期的にも水場のレジャーが増える時期のため、そういったものに対しての注意喚起が行われておりますが、水難事故に限らずすべてのアウトドアレジャーについて、今一度、危険について考える機会だと思います。
アウトドアレジャーはその性質上、安全が100%保証されているわけではありません。
自然が相手のレジャーということもあり、何時何時何が起きるのか、そういったことをよく考えて行動する必要があります。

私は登山やキャンプ、サイクリングやウォーキングが好きでよく行っています。
登山では近場ということもあり、高尾山によく足を運びますが、都心に近い登りやすい山ということもあって、比較的軽装の方を多く見かけます。
軽装の方には2つのパターンがあります。ひとつが高尾山に登り慣れていて、最低限の装備というものを熟知しているもの。そしてもうひとつが、何も考えていないものです。
前者はある意味で登山の手練です。必要最低限のものを吟味して装備していく手腕は鮮やかです。
後者が大変で「高尾山は低いし、ケーブルカーやリフトもあって登るのが簡単」と思い込んでいる人たちなのですが、こういう人たちが転んで怪我したり、滑落したりしているのです。

確かに、高尾山は難易度の低い山で、小さな子どもでも登れる山でもあります。しかしながら簡単であっても「山」という自然物であることは揺るぎようのない事実なのです。
そしてこのような自然は、急に我々に牙を剥くのです。
そういった時に適切な装備がないと、負う必要のない怪我を負ってしまったり、最悪、命を落とすことにも繋がりかねません。
報道があまりされませんが、高尾山でも遭難者が出ているのです。
簡単だからと高を括らずに、しっかりと準備をすることが大切です。

高尾山を例に出しましたが、アウトドアレジャーに付き物なのが「天候問題」です。
事前に綿密に計画を立てて、いざ当日になってみたら、どうも天候が思わしくないといったことはよくあることです。
この時に、計画を中止するのか、強行するのかもしっかりと考えなければならない点のひとつです。
玄倉川水難事故も大雨が降ったにも関わらず、川の中州でキャンプをした事がキッカケで、天候が要因のひとつと言えるからです。
昨今では雨も急に土砂降りの大雨が極短時間だけ降ったりなど、天気は読みづらい点が多いです。

「事前に時間をかけて計画をしたし、次にいつ来れるかわからない。だからどうしても行きたい」

このような心理が働くのはわかります。
休みの調整など、事前準備をいろいろしていたにも関わらず、天候が思わしくなくて中止にするという判断は中々しにくいと思います。
ただ、ことアウトドアレジャーに於いては、天候の急変が命に関わることがザラにあります。
ですので、不用意な強行はせずに、涙をのんで中止・延期の判断をするのが大切なことだと考えます。
「防げる事故」にわざわざ遭いにいく必要はないのですから。

最後に

玄倉川水難事故をキッカケに、アウトドアレジャーについて考えてみました。
件の事故では自然に対する認識の甘さ、周囲からの注意を聞き入れない姿勢などが原因で大きな事故となってしまいました。
昨今では夏場の気温が35℃を超えて40℃近くになる日もザラにあります。
普通に出歩くだけでも、暑さに対する対策をしなくては命を落としかねない状況です。
8月12~13日に開催されたコミックマーケットでは、暑さに対する対策を怠っていた人たちの熱中症が多く出ていたそうです。

・自然を甘く見ないこと
・周囲からの注意をよく聞くこと
この二点だけでも、自身の身体、生命を守ることに繋がるのではないでしょうか。
それこそが、玄倉川水難事故で亡くなった13名の方への手向けになるのだと考えます。

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