『職員は家族』なのか? 否!!
むかし、むかし。
ある医療法人の訪問介護事業所で、働いていた頃。
やたらと、『職員は家族!』と公言するトップと遭遇した。
私は、素朴に疑問だった。
職場はあくまで職場であり、労働契約を交わす雇用主と職員であって、それ以上でもそれ以下でもない。
家族と言ってしまえば、一見面倒見がいい風に聞こえるが、職員70名規模のグループ事業所なのに、痛みはみんなで分かち合うと言って、社用車が事故で一台廃車になれば、70名全員の賞与と寸志は吹っ飛ぶし、ケアの質を上げる事で売り上げを良く上げても、成果を褒める事も、対価を与える事もしてるようで全くしていなかった。
実際、サービス提供責任者をもう1人の先輩と2人でしていたが
手取りは12万程しか無かった。
某府内でも有名な安い月給である。
私はそれを知らなかった。
訪問先は100件近くあるし、月の延べ売り上げは莫大なものだった。登録ヘルパーも20人は居た。
シフトを作成するだけでも大変だったのだが
バイトで訪問のみで働いてる方が、割りが良いという変な図式が出来上がっていたし、
何より、言い方が悪いが
対よくカツアゲされているような気持ちだった。
仮に、他にも色々理由があって、全員が賞与カットになるならまだしも、車一台廃車でも新車ならば正社員の賞与大体15名分もあれば、補填できるはずだ。何故減給ではないのか。しかも、部署も違う職員も連帯責任と言われては、たまったものではない。
連帯責任で引かれるものがあるならば、状況に応じて増やすものが無いと、労働者はモチベーションが下がる一方である。
どうにも、モヤモヤした。安過ぎるから辞めた。
もう一箇所、小規模多機能、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅を展開する小さな法人も、同じく職員を家族だの、アットホームな職場だのと謳っていた。
家から近いので、しばらくの間勤めていたが
経営者と、責任者の双方がとんでもない人間だった。すぐに評価がコロコロ変わる。とにかく悪口しか言わない。自分の奴隷のようにならない人間は切り捨てる。人の意見なんて聞く訳もない。
そんな事業所とはつゆ知らず、月の途中から入社してほしいと頼まれて、仕方なく無理矢理入った私の、入社月の社会保険料は結局支払われていなかった。未納扱いになり、督促状が来る事態になった。
(注: 月途中で転職した場合は、新しく入社した事業所が一月分の半分社会保険料を持たなければならない。日割りではない。もう半分は労働者自身が支払う為、給与から天引きだが、この事業所は何故日割りではないのかと経営者が言い出したらしく、按分する手続き自体を取っておらず、1円も支払えていなかった。)
家族と思っている職員に対して、やる事とは思えない。必要最低限のやるべき事もせずに、職員の悪口を宣う。悪口を言われたくない、意思のない職員や洗脳された職員は、奴隷と化す。
残念ながら、こんな事業所も未だに多い。
ここも相変わらずだと、風の噂に聞く。
時代は昭和ではなく、令和なのに。
以降、アットホームだの家族だの謳う事業所にはなるべく近付かない事にしている。
中にはきちんとしている事業所もあると思うが、
経験則、9割の確率で運営がいい加減で、きちんと給与も支払われない傾向がある。
きちんとしている事業所は、自社の厳しさを事前にアピールし、それでも仕事をやれるか?と聞くぐらいの事をする。
仕事は、仕事。
家族でも、アットホームでもない。
聞こえの良さに騙されないように、気をつける必要がある。
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