介護職員が親の介護で仕事を辞める?!④

私は、姑を捜しながらある一つの決意をしていた。

介護休暇を取ったり、休職するのは簡単。

しかし、いつ戻れるかもわからないし、もしかするとずっと無理かもしれない。

事業所は、今一番業績が伸びている。

果たして、中途半端な事をしてて良いのか。

私が部下なら、理解も勿論できるが

そんなに大変なら家に専念すれば?という気持ちもある。


…色々悔しい思いもして、何もかもを捨てて仕事だけになりふり構わず全うし、

やっとここまで来たという気持ちもあるが

逆に言うと、子供2人は殆ど父や姑に任せてきた。

気がつけば、もう彼、彼女達は甘えてくれる年頃でもなくなってしまっていて

子育ての一番楽しい時期も、難しい時期も

私はきちんと向き合えていなかった。

で、あるにも関わらず

子供達が、本当にまっすぐな大人になってくれたのは、色々問題があっても間違いなく父や姑のおかげに他ならない。

私は一家の主婦として、家族を大切にしたい。

いや、しなければいけない。今こそ。


…ただ、ジレンマもある。

常々、思っていた事だが

介護を生業としている人間が、親や舅、姑の介護でこの仕事を辞めるか辞めないかを悩まなければならない事。

私には、親を有料老人ホームやサ高住に入れる程のお金はない。

親自身も、貯金なんてない。

姑は、貯金があるので何とかなるかも。。。


高齢者やその家族を取り巻く現実は、なかなか厳しい。

決して社員割引や特典的なもの等は、殆どの事業所には存在もしないであろう。

何かモヤモヤするというか、皮肉なものだ。

大変さは全く違うが、例えば働く親に対して

子どもを介護施設併設、あるいは病院併設の託児所等に預ける、という選択肢はようやくこの20年で増えてきた。

しかし、介護となれば全くそこは未開の地。

ましてや、従業員の親を見るとなれば

事業所が要介護者の抱え込みをしているだの

色々改善せねばならない余地はあるだろう。


私は、この事業所グループに通う為に

毎日車で1時間余りの通勤をしていた。

隣府であり、もしも非常勤等に雇用形態を変えたとすれば、わざわざ遠方に行くメリットは薄くなる。

強いて言えば、慣れているから自分は働きやすい。

しかし、元上司が自分の部下になる職員のやりにくさもあるだろう。

(私自身は現場が好きなので、全く問題ないが)


親の介護をしながら、地元の事業所で働けば

介護サービスを使うにあたり、知り合いの介護スタッフ等に出会う事も多々あるだろうし

姑自身も近隣の知人にお世話にはなりたくないだろうし、自分の姿を見られたくないだろう。


色々考えすぎなのかもしれないが

一旦介護職を離れ、父と姑の介護にある一定の区切りが付くまでは、介護と関係のない仕事をしようと考えた。

そして、グループホームは、実は地元の徒歩3分の所にもあるのだが、姑の知人が職員で働いている事を知っていたので、2つ隣の町にあるグループホームを希望する事にした。



…姑は、翌日の夕方に隣県まで電車で出かけ

ずっと歩いていた所を保護された事がわかった。


歩き疲れているはずが、足の痛みを訴えながらも

まだまだ歩こうとする姑を見て

これから入居に至るまでの期間、どう介護をすればいいのかと途方に暮れた。


⑤に続く

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