介護職員が親の介護で仕事を辞める?!②

姑の認知症状は、当時67歳という若さもあってか新規介護認定申請までに、日に日に悪化の一途を辿っていた。


通販でサプリメントを大量に買って支払いが出来てなかったり

新聞2社も契約して、朝からポストに山盛りに新聞が入ってたり

宝石を売りつけられて、実際はシルバーメッキで石も人工石の価値のないものだったり…


これはまずいと、ようやく思いはじめたダンナが

本人が出向けるうちに、金融機関の名義変更をする事になった。

元々、白内障があり重度の近視で目が見えづらい。農家の嫁で、字も得意ではない。

…でも、住所や名前が書けない。

全く違う所に書こうとするわ、ここだよと指してようやく書くと思ったら、一文字二文字書いて

「字がわからない、忘れた。面倒くさい。」

と、ペンをぽいっと投げ捨ててしまった。

何とか書いてもらえたが、銀行員の説明も、全く耳を貸さない。カバンを触って集中できない。


…あんなにお金の事はきちんとしていて、心配性で

誰より何より確認を怠らない姑が、すでに別人のようになっていた。

アパシー(認知症の無関心、無気力)症状が、顕著に出ている。


私もさすがに、ここまで症状が進行しているとは思わなかった。

自分が、仕事ばかりをしていて家の事を姑に任せきりにしていた事を強く強く後悔した。


新規介護認定申請を受けると、認定調査員が

かなり認知症だけが進行しているご様子ですね。

と、後に家族の意見を聞き取る際、私に言った。


某介護事業所グループは発展途上の為異動が多く

ダンナと新規介護認定申請の事をあれこれ言ってる間に、新規オープンを成功できた事と、

ある全国発表で成功を収めた成果で、私はエリアマネージャーに昇進していた。

何か迷惑をかけてもいけないと

スーパーバイザーや本部長に、相談は持ちかけていた。

お2人共、今でも私が尊敬する素敵な上司であり

親身に相談に乗って下さった。

介護休暇を使ってもいいよ、との事だった。



新規の営業や、企画開発にもつながる内容をこなしながら、また違う仕事内容に必死になる傍ら、

仕事は苦しくも楽しく、やりがいを感じれるありがたい状況ではあったが、

家庭を顧みずの状況に

これでいいのかという自問自答にかられた。


…ついに、姑はダンナにも物盗られ妄想を発揮してきた。

メガネを盗られた、服を盗られたと。

ダンナが盗る訳ない!と強く叱りつける。

この頃から、昼から買い物に出かけなかなか家に帰って来ない事が出て来た。


そして、私の父の両下肢の筋力が低下し

家の中で転倒する事も出て来ていた。

悪い事は重なるもの。

こんな時にこそ、頭を柔らかくしていい方法を考えないと先はない。


しばらく、選択肢を目の前に悩む日々が続いた。


③へ続く

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