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はじめての繭期2021鑑賞ゆるレポ 第六夜【ネタバレあり】

Attention(定期)


 これはTRUMPシリーズ初見の民がその都度叫び散らかすだけの記事です。絶対に未履修の公演のネタバレ踏みたくないので、記事の内容以外の公演のネタバレをコメントに書くという行為は絶対におやめください。守れる方だけ先へどうぞ。

─感想─

 なんでっっっなんで生きてるときにそれを言ってやらなかったダリ卿貴様!! 貴方がそれを「デリコ」の名前も「ウルを守れ」何ていうまどろっこしいもの全部かなぐり捨てて願いを口にしていれば変わった未来もあったはずだ。幸せになれる道だってあったはずだ。全部話して家族三人でウルの背負った運命に立ち向かえば、支えてやればあの兄弟は死なずに……済んだんじゃないのかよ……。なぁダリ卿、14年前の貴方の言葉を忘れたのか。デリコの名を煩わしく思っていた過去の自分を忘れてくれるなよ。そうしていれば、貴方だって星に手が届いたんだ。守りたいものを、零さずにいられたんだよ。恥晒しだという自覚があるなら、あのときラファエロに声をかけてやれば良かったんだ。今となっちゃ、全部ありえないたらればの話だが。

 そしてLILIUM観たい。まじでLILIUM観たい。ウルのあの発言LILIUMに繋がるだろうとしか思えて仕方なかった。今回の配信されたのはTRUMPのreverseだからTRUTHの方のルートでまた違うのか? (息をするようにルート分岐の思考に辿り着いたのは気にしないでくれ)こんなん観せられたらBlu-ray欲しくなるだろ……くそぅ……あの人の術中にはまっていっているきがしてならない。

 そして月の翳りじゃ確信持てなかったけれど明らかに「メリーベル」じゃなくて「ルルミナ」って言ったよな。しかも所々TRUMPと左右反転した演出にわざと作ったとも思えるTRUMPのときと言い回し変えたもの。デリコ一家に焦点を置いただけじゃ済まされない変え方。まるでミラーだ。それも歪んだミラー。俺は末満さんの別作品でこれを観たことがある。まぁあの人が全く同じ事をするなんてことは考えにくいけれど、前科だと捉えるとまじで……いやあの人は何をしてがしてももはや「まぁ末満さんだからな」で済ましてしまいそうな自分が怖い。前回の記事でも書いたけれど、自分はCOCOON 月の翳り/星ひとつとTRUMPが別の世界線、別のルートだという説を提唱する。いろんなもののずれがそうでないと説明がつかないもの。それにそう多くの作品を観たわけではないけれど(俺が観たことがあるのは刀ステとはじ繭で履修した公演)、末満さんの書く脚本ってもの凄く助詞ひとつに至るまで繊細なんだよ。あの人が助詞どころじゃないものの違いを生み出すってのはかなり意図的。大きな伏線と観て差し支えない気がする。は〜〜〜しんど。

 あと殺陣が美しかったです……。どんどん殺陣の美しさ増していくよな。染様まじで殺陣上手い。刀担ぐ動作に低めの構えが最高。ラファエロの刺された後若干動き鈍ってるあたりとかほんの少し庇うような動きがたまらん。荒木さん……刀ミュの時も思ったけれどあの人も殺陣お上手よな。ウルは後半になるほど鬼気迫る感じ。アンジェリコはある意味一貫してる。だからこそ最後のブレがたまらんのよなぁ。

総括

 呪いってのはのろいとも、まじないとも読める。まじないならなにも悪い意味だけじゃない。「痛いの痛いの飛んでけ〜」もおまじない、つまりは呪いだ。あの言葉に込められた優しい願いのような心をウルに向けたダリ卿の愛は間違いなく本物だった。でも愛ってのは悲しいことに本人に伝えるのが難しい。だからこそあの悲劇は起こったんだろうね。そして、バンリさんの愛も。一瞬ソフィに見せたあの笑顔は、買っての彼のものだったんだろうね。

 守れなかった家族。守れなかった友。全部抱えて、そして手の中のものを取り落とさないようにして彼らは傷だらけのまま進んでいく。なんとも身勝手で生き物らしい感情だ。「悲しいは綺麗」。ああそうだよ。貴方達の世界の物語はたいそう美しい一級品だ。

〈了〉

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