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【イギリス大学院修士論文】3.Research Questionsを見直すには、何をしたらいいですか?前編

大学院に留学していた時に、自分が悩んだことを中心に発信しています。前回は、文献の探し方について書きました。

今回は、research questionをどうやってブラッシュアップしていったかについて書いていきます。結構長くなりそうなので、前編。

3.Research Questionsを見直すには、何をしたらいいですか?

※今までの記事もそうですが、分野によって論文の構成や表現の仕方は同じではないので、参考程度にご覧ください。※

以下の本が参考文献として紹介されていたので、この本を読んで自分のResearch Questionsを見直していきました。
↓体系的に知りたい方はこちらをお読みくださいね。↓(1)まず、なぜその研究をしようと思ったのかということに立ち戻る。

(1)まず、なぜその研究をしようと思ったのかということに立ち戻る。Research questionsを見直すには、研究の目的を思い出すことからはじめます。

私の場合は、「学校を改善するために重要なことは何か。」ということについて理解を深めたくて、大学院に入学しました。教員としての実務経験の中で、学校を変えるために新しい教育実践を多くみました。でも、結局そこで働く人がどう行動するかということが一番影響あるよなと思って、Educational leadership and managementという領域を選択しました。

結局
・Educational leadershipの分野で一番論文の数が多いInstructional leadershipをTopicとして選択。
・Instructional leadershipの参考文献を読み、「教育的リーダーシップに関する研究は欧米諸国で主に行われており、アジアでの文献が少ない。」ということが言われていそう。

ということを確認してから、research questionsの見直しにうつりました

(2)Research questionsのタイプを知る。
次に、そもそも質問にはどのようなタイプがあるのかを確認しましょう。参考文献では、質問の型を知っていることで、自分がどのような質問をしようとしているか把握しやすくなると主張しています。

①Descriptive questions / Explanatory questions
はじめの分け方は、プロセスのどこに焦点を当てるかということで質問を分ける分け方です。
Descriptive questionsは「何が起こっているのか。」ということに焦点を当てます。一方、Explanatory questionsは「なぜそれが起こっているのか。」ということに焦点を当てます。

②W-Questions(Journalistic Six)
次の分け方は、①の分け方をさらに細かく分類してどのような質問か理解していきます。
Descriptive questionsは、さらにWhat・Who・When・Whereの4つの視点で分けることができます。Explanatory questionsは、How・Whyの2つの視点で分けることができます。

③Purposed-led typologies
3つ目の分け方として、その質問の目的で分類するという分け方です。
(ⅰ)Forecasting an outcome or making predictions
”What do current trends suggests about future levels of membership in political parties in the United Kingdom?”
(ⅱ)Explaining causes or consequences
”What factors are associated with membership of political parties in the United Kingdom?"
(ⅲ)Criticizing or evaluating
”To what extent have recent initiatives impacted on the level of membership in political parties in the United Kingdom?”
(ⅳ)Description
"How did patterns of political-party membership change in the United Kingdom between 1979 and 2007?"
(ⅴ)Developing good practice
What administrative measures are most effective in reducing rates of
unplanned lapses in party membership?

(3)自分のResearch questionsのタイプを確認し、陥りやすい問題に当てはまっていないか確かめる。
自分のResearch questionsのタイプを確認できたら、理想的なResearch questionsになっているか確かめていきます。この本で紹介されているものの中から、避けるべきものを2つ紹介します。

①Explanatory questionsになっている。
先程説明したようにExplanatory questionsは、How・Whyの2つの視点で分けることができます。Explanatory questionsは、Descriptive questionsと比べると、答えなければならない範囲が多いことがわかります。なぜなら、HowやWhyという問いに答えるためには、そのプロセス全体を明らかにしなければならないからです。
もしExplanatory questionsになっている場合は、次の②を参考にDescriptive questionsに作り替えましょう。

②答えるべき質問が多すぎたり、選択肢を見落としたりしている。
例えば、”At what age do boys stop underachieving at school?”というResearch questionを設定している場合、「男子の成績は下降している。」という前提条件が隠れています。
しかし、実際はそのことも検証してみないと、そもそも設定したResearch questionが機能しないかも知れません。
そのため、このResearch questionは「そもそもの前提条件は正しいか。」を確認する問いと、「正しいとした時、具体的に何を明らかにするのか。」という問いに分解する必要があります。
例えば、
・Do boys ‘underachieve’ at any point in their compulsory schooling?
・(Who) If so, which type of boys tend to ‘underachieve’?
・(When) What is the timing and duration of any ‘underachievement’?
というResearch questionに作り替えることができます。このことで、案に設定してしまった前提条件を明らかにし、答えるべきことをシンプルにすることができます。

後は、倫理的な問題や価値観を定義するようなResearch questionになっていないかどうか確かめましょう。

終わりに

次回は、実際にResearch questionを設定した後、どのような研究方法を選択していくことになるのかということについて説明していきます。


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