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【詩】かろやかな春の風に ソメイヨシノ

かろやかな春の風に

さくらの花びらが

舞い散るようすを

誰が初めに

思い浮かべたのだろうか

風のない春の風にも

浮かび上がるような

花の離れかた

染井村の職人は

そのイメージの想念を

パタンナーとして

桜の木に映し出しただけ

だと、わたしは感じる

いつの時代に

どの流れが初めに

ソメイヨシノの元型を

想像したのか

花のつくりかた

に思想が入っている

日本人が

さくらに

日本の情緒を感じるのは

さくらに日本人が日本を

映し出しているのではなく、

いつかの何処かの誰かが

伝えたいこと、

もしくは実現したいことを

ことばでなくイメージで

ソメイヨシノの元型に託した

のでは、とわたしは感じる

それゆえに

ソメイヨシノを通して伝えたい

イメージに共感して

ひとびとが

日本を感じる

のではないでしょうか


風のない春の風にも

浮かび上がるような

花のはなれかた


ソメイヨシノの

かろやかな春の風に

ひとひらひとひらの花びらが舞う

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