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学校から帰って、やるべきことをやらない娘へ

小学校5年生の娘は、お仕事(それは、娘の方からやると申し出があったものが多い)を、やり忘れてしまう。ということがよくある。いや、とてもよくある。

ついこの前も申し出があった。
「家の仕事をたくさんする分、お小遣いを増やしてほしい。計画表は作ってある。」

月曜日→皿洗い、洗濯物たたみ
火曜日→お風呂掃除、トイレ掃除
水曜日→皿洗い(朝、夜)

といった具合に1週間何をする予定なのか、紙に書いてあった。私からの条件は「リマインドはしたくない。」だった。娘はその条件を飲んだ。

結果、ちっともやらなかった。忘れるらしい。私はやってあると思っていた洗濯物が山積みになっていたり、お皿が流しの中に放り込みっぱなしになっていたりしたものを夜やることが増えた。そんなことの積み重ねに、少しずつ少しずつ「見えない疲労」が溜まってしまっていた。

自分がやるって言ったのに、終わってないじゃん。
結局それで皺寄せくるの、私じゃん。
声かけたら声かけたで、イラッとしてくるじゃん・・・。

ああだめだ。このまま彼女に何か言っても、ただイライラしたものをぶつけてしまうだけになってしまう。そんなの、私は一瞬だけスッキリするかもしれないけど、後になって一生後悔する。

深呼吸。

私はどうしてそんなふうに思うんだい?
私は本当はどうしてほしいんだい?


大人のくせに恥ずかしいけれど、娘が羨ましいのかもしれない。

「やらなければいけないこと」をやらないとお金をもらえなくて生きていけない私。それが大人になるということだと思っていた。今もちょっとだけ思っている。

でも娘は「やらなければいけないこと」や「自分がやると言っていたこと」をすっかり忘れていたとしても、楽しく生きることができる。それは子どもだからできることだと思っていた。今もちょっとだけ思っている。


でも別にわからせなくちゃ!とか、子どもの将来のために!とかそういうの取っ払ったとしたら、私はやっぱり、羨ましかったんだなあって。


自分のやりたいことをめいっぱいやって生きていきたい。それで楽しく暮らしたい。疲れていたらまずは自分をめいっぱい労りたい。

そんなことを羨ましく思っているから、私はきっと「見えない疲れ」が溜まってしまっていたんだなあ。娘のより良い成長とか、そういうことは、一旦無視で。


じゃあ、私は娘にどうしてほしいんだろうか・・・・。

ゆっくり、じっくり考えながら歩く仕事終わり。家に帰った私。うん、大丈夫。今日は娘に、ちゃんと私の言葉で伝えられそうだ。

娘にこんな言葉をかけた。

「やるべきことをやるって、すごく難しいよね。そして変わりたい!って思っても「頑張る」だけじゃ人ってなかなか変わらない。よく言われているのは、時間と場所と人間関係を変えることが大事。だから、本当にやろう!と思うんだったら、そこから解決策を見つけていくと良いんだろうねえ。

ちょっと話がそれるけど、私はね、今のあなたの人間関係、素敵だなあと思うところがたくさんあるよ。

いつもさ、「私はついつい人に合わせて流されちゃう。」とか言ってるけどさ。今の素敵なお友達の素敵なところ、合わせていて、いいなあって思うよ。

あとそれだけじゃなくて、そんな友達と仲良くするうちに、合わせる【だけ】の自分からは卒業し始めているよね。「ここは違うんじゃない?」って、そんなことも言える人間関係。そんな関係ができていてすごいなって思うよ。

きっとそのために学校でいっぱいエネルギー使ってきてるんじゃない?

話は戻るけど、やるべきことをやる。は、やってほしい。そんな気持ちもちろんんあるけど、それは実は半分くらいかも。

もう半分は、もう、目一杯頑張ってきたね。って思ってるよ。学校で「やるべきこと」をやってきて、さらに人間関係まで成長させていてさ。

そこでさ、「いや、帰ってからやるべきことは、ちゃんとやりなよ。」って言うこと、私は本当にしたいことなのかな・・・とか思っちゃう。だけどお願いしたことはなんもやっていないみたいな状況はやっぱり悲しい。だって、それは私が何もかなえてもらえてないからさ。

だからさ、帳尻合わせる、で良いと思うかもって。私が帰ってくるまでにやっておく、とか。○曜日までに全部やる、とか。目一杯ゆっくりして最後の最後バタバタやったって、休み休みやったって良いじゃん?そんな感じでやっていくのはどうかな?」


黙って聞いていた娘。「そうしてみる。」だってさ。

それでもまた話し合うだろうな。それで良い。むしろそれが良い。一回で、じゃなくてその都度、その時しっくりくる会話を、言葉を出せたら、嬉しい。

そして、私の中にある「本当はこうありたかった自分」にも出会えるのが、こういう場面だなあとつくづく思う。私が、疲れていたんだよね、きっとね。

私も頑張っているね。私も「やるべきこと」にばかり全振りせずに、やりたいことで自分を緩めて、自分を労ってエネルギーためてからやるべきことに向かっていく。そんな日も作ってみよう。

娘にかけた言葉はきっと、私自身にもかけてあげたかった言葉なんだろうな。


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