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愉快参年 ゆかいさんねん

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さぞや愉快だったことでしょう。あの三年間を愉快なままで真空保存。
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愉快参年ゆかいさんねん

愉快参年ゆかいさんねん

ここまで読んでも一体何のことだか誰もわからないと思う。なぜなら私はそのように書いている。書いているのは、ある試みのためである。書いているのは、変えるためである。書いているのは、換えるためである。何を。過去を。
「愉快」の図式。いうまでもなく他の誰かの「不愉快」の上に成り立っている。そういう「愉快」はせいぜい三年程度である。あるいは「愉快」の図式は「分人思想」の上に成り立っている。分人Aの状況を分人

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カクレミノ

カクレミノ

はじめの四月

帰国時

成田

空港近く

窓の外にカクレミノ

わたし「に」ぴったりな木があると言った

笑いたかったのだとあとで気づく

わたし「が」カクレミノだったことも

はじめの三月
式年遷宮という記念の年
久しぶりのひとりでの帰国
それは
"彼ら"
にとって
親切に見せかけた恰好の小旅行の口実
ひとりで行きたかった
ひとりで好きに歩きたかった
大きなお世話の風船は要らなかった

聖獣バロンと魔女ランダ。永遠に戦い続ける善と悪。ねじれにねじれ、よりを戻すもままならぬ。それならば戦い続けるしか術は無し。ガムランの音。土の上。バリ島のバロンダンスがまた観たい。今度はひとりで。