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『キャリバンと魔女』読書感想

昨日紹介した『戦争と資本』における内部植民地化の詳細はこっちの本。著者のフェデリーチは昔からのフェミニストなせいか、とても読みやすかった。ラッツァラートと比べれば、だけれども。

マルクスの言う内部植民地化=世界内戦には、魔女狩りがある。魔女狩りは資本主義につきものの本源的蓄積であり、それは女性に対して起こされた戦争の形をとるんだよ、という話。だからこの本は、フェミニストが書いている政治経済学の書籍でもあるんだ。

今現在も、女性に対して起こされた戦争は起こっている。現在進行形で大変だ。それは資本の要請でもあるんだよ。

今は大変な混沌期で、数年後はどうなるのかさっぱりわからない。トランプが大統領になれば朝鮮戦争終結となって東アジアからの米軍撤退。それひとつとっても日本にとっては激動になるだろう。ここからまた10年は、おそらく激動だ。しっかり心身メンテナンス&健康管理しようね!

話は逸れたんだけど、私にとって魔女狩りと資本、と言うので思い出すのは安丸良夫のこの出口なおの本だ。

明治維新という近代化と本格的な資本主義導入によって、日本にも囲い込みによる労働者の流動化、貧困化が起こった。それが本源的蓄積。出口なおは大変な貧困の中、新興宗教の教祖として成り上がっていくんだけど、あの人も、結構魔女だったな、と思うのだ。魔女狩りはそんなにされなかったけどさ。

義理の息子の出口王仁三郎が大本教っていう新興宗教を作り、それが現在の日本の新興宗教の祖となってゆくのだけど、まさに大本だったよね。キリスト教圏のカルトと日本のカルトはやっぱり色々と違うのだろうけど。

今はグローバリズムで、かつてキリスト教圏で大規模に巻き起こった女性の弾圧=魔女狩りは、現代の日本にも持ち込まれている。さて、ここからどう動くんでしょうかね。

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