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気持ちの悪さ

異次元金融緩和もずっと追いかけていたんですよ。

って何度も言ってる。ここのところ、為替も含め、市場は揺蕩うようだった。あの日本版ブラックフライデーから。今もずっと、急にどっちの方向へ動くのかわからないような、そういう気配を見せている。

予想と言ってもイマイチわからない。要は、全然わからないんだ。

ただ、この、揺蕩うような感じが気持ちが悪いな、とは思っている。異次元金融緩和を10年以上見続けていた時も、ずっと気持ちが悪かった。2018年ぐらいは、毎日同じ時間にクジラが大口の買いを入れるってわかってるから、その少し前に入って、クジラが買い、株価が噴き上がって、その後売り抜けるデイトレの投資家はとても多かった。あれでひと財産築いた人は多かっただろう。私はやらなかったけどそれをずっと見ていた。それひとつとっても猛烈に気持ちが悪かった。気持ちが悪い、という話も、人にも、家族にも言えなかった。なんだか怖くて。自分が見ているものが信じられない、世の中、何も悪いこと起こってない、みたいな感じなのに、その裏でこんなことになっているなんて。そんなふうに、ぼんやりと思っていたように思う。

その頃すでに隠れ円安が囁かれていた。隠れ円安、というのは、為替の額面上の円安ではない。長年、インフレを起こせない、という形で、日本円が相対的に下がっていく、という現象だ。例えば、他国では普通に給料と物価が緩やかにインフレって数年経つと、スタバのコーヒーが1000円超えている。日本だけスタバのコーヒーはずっと500円代だ。異次元金融緩和影響で、インフレが起こせない、長期国債金利も上げられない、と聞いた。そういうふうに他国の通貨価値と差がついていくんだけど、為替の額面上は目立って円安ではなかったので、その頃はみんな円安だって気がつかなかったんだよ。

今は、その隠れ円安と、普通の為替の額面上の円安が重なっているので、かなりの円安となっている。異次元金融緩和影響の隠れ円安を知ってる人は、もうとっくに円安のリスクヘッジをしていた。

これから急激な円高になるかもしれないが。対ドルで。それも理屈があるんだ。

昔は、本当は気にかけなければいけないほどに悪いことが起こってても、表面上は起こってない、という設定になっていたから、気にする人間の方が狂人なので、気にするそぶりを見せられない。でも、どうにもおかしいように見えるので、気持ちが悪い。気持ちの悪さをずっと抱えながら、経済を見ていた。

今は為替の額面上で円安だから、みんなが円安円安で大騒ぎしているので、その手の気持ち悪さはあまり感じなくなっていたんだけど、今、また、私は気持ちが悪い。

何も悪いことなんか起こってない、という顔をしながら、10年後、気がつくととんでもないことになっていた。だからあの時、本当は、リスクヘッジしておかねばいけなかったんだよね。みんな気づいてなかったけど。

そういう気持ちの悪さを感じている。水面下で、知ってる人しか知らない動きがあって、見えてる人は限られている、そういう動きがありそうな。

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