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2020年にやったことをまとめてみる。

本業と平行して、さっきょく塾やら女性作曲家会議やら色々やってるわけなんですが、備忘録として今年自分がやったことをまとめてみたいと思います。

1月

2019年秋から2020年頭まではゲーテ・インスティテュートの派遣で、モントリオールにコンポーザー・レジデンスしていました。滞在中はピアノのための新作を書いてピアニストの八坂公洋さんに演奏して頂きました。その時のレビューなど↓

さっきょく塾ではゲストに作曲家の山根明季子さんを招いたり、コラムでは「オーケストラの読み方・書き方」についてまとめたりしました。

2月

さっきょく塾では、ピアニストの八坂公洋さんをゲストに招いてピアノ作品について勉強しました。実際に講師や塾生の曲を弾いてもらったり思ったことをお話頂くんですが、初演時って案外演奏家の率直な意見って頂く時間がなかったりするので、面白かったです。

そして、この頃かな。コロナの影響が出始めて、所属団体の女性作曲家会議ではオンラインミーティングを行ってました。オフラインイベントをどうするか?という(これは結局キャンセルになりました)。

3月

そして三月。本格的にコロナが猛威を奮い始めてドイツはロックダウン。家にいる演奏家と作曲家を繋ぐために仮想音楽家レジデンススタート。

さっきょく塾では、作曲家の坂田直樹さんに来ていただきました。その後坂田さんには事あるごとに来ていただいていて、既に準レギュラー化しています。

4月

仮想レジデンスでは30曲近くの新作発表に関わりつつ、自身も2作品を発表しました。

さっきょく塾では前期テーマ楽器だったクラリネットの楽器法を深めるため、ドイツ在住韓国人クラリネット奏者のキュサンさんにPanayiotis Kokorasの「Mutation」をレクチャーして頂きました。

ロックダウンっていうのもあって、こんなシリーズ往復書簡も書いてました。

この書簡からとても得るものがあって、この時期特に精神的ダメージが大きかったので、書簡パートナーの山田くんには大いに助けられました。

同時に平行して、ピアニストの大瀧拓哉くんとの書簡も始めました。これは今休憩中ですがこれからまだまだ継続させたいシリーズです。

所属団体のjwcmではこの頃、塩見允枝子さんのドキュメンタリー(後藤美波 & jwcm)がYahoo! JapanのSGDs特設サイトで公開されたり、「キクラボonline」と題したオンラインレクチャーシリーズがスタートしたりしていました。「著作権」についてや「ジェンダー」や「アート」について専門家からお話を伺って、非常に勉強になった一か月。

5月

仮想音楽家レジデンスに続いて、仮想音楽家レジデンス・アカデミーを準備していました。前回より少し募集期間を長くして宣伝動画も作ったりしてた時期です。

そうだ、このシリーズも平行して書いていました。私の大好きなシリーズです、音ポスト。

そして、さっきょく塾では作曲家の稲森安太己さんをゲストにお呼びしました。ヨハネス・カスパー・ヴァルターの作品について勉強しました。素晴らしい授業だったなぁ。ヴァルターの作品はもっと日本でもやりたいなぁ。

6月

6月は仮想音楽家レジデンスで様々なオンラインレクチャーを開催しつつ、アンサンブル・ノマドの編曲集のために創作していました。世界各国の民謡を波多野睦美さんとノマドの皆さんのために編曲作曲。一作品ずつ原典を調べつつ、そこにある香りを失わないよう丁寧に磨き上げる作業は至福の時でした。ただ6月辺りから日本帰国の準備があり、記憶が飛んでいます(笑)

7月

仮想レジアカでのオンラインイベントも目白押しだったこの頃。コロナ渦の状態でどうやって創作活動をしていったら良いのか、とても悩んでいました。実はコロナ渦じゃなくても変わっていかなければならないだろう、とも。で、実際何を変えていけば良いのか。それで、こんな記事を書いていました。

さっきょく塾生限定記事ですが、今でもこの事はよく考えてます。現代音楽の広報はどうして自薦しかないんだろう、問題。そして自分のコンサートしか企画しないことへの危惧。キュレーターも批評家もいない、このシーンの先細りへの危惧なんかを書いています。

7月は作曲家の横井佑未子さんをゲストにレッスンをして頂きました。確かノマドの編作曲作品「ソングス」もこの頃遅まきながらも終止線を引いた記憶があります。

13日には、ギターリストの土橋庸人さんのリサイタルで「With half closed eyes (2015)」を演奏して頂いたり、後半21日には木村麻耶さんと佐藤紀雄さんの紡ぐ糸の公演があって、「そこにないものへの小品」というデュオ作品の初演もありました。こちらはもともと3月に予定されていましたが、covid-19のため延期となっていました。学生時代含め、素晴らしいギターリストさんに恵まれています。

8月

そして8月。水面下で準備していた女性作曲家会議の初印刷物に向けて準備を始めました。こちらは11月に印刷工場に行ったときの現物写真です。

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引越し一か月前だったので、諸々手続きやらに追われていた時です。一か月だけなのですが、娘のドイツ小学校の入学式なんかもありましたね。秋に初演をして頂いたアンサンブル・ノマドの委嘱(こちらは自作です)の筆も進めてた頃です(現在こちらの公演動画は東京都の「アートにエールを!」にて公開されています)。

あ、これも今お休み中ですが、若手作曲家インタビューシリーズもこの頃スタートさせました。

TriOrganicさんのコンサート配信なんかもありましたね。〇十年前に書いた作品をギターとフルート、ファゴットの編成で書きなおしたものを初演して頂きました。ギターリストの宇高靖人さんのご紹介で、素敵なご縁でした。

9月

さっきょく塾はゼメスター制度なので、9月が新学期。新しい塾生さんたちを迎えてウキウキしていた時期です。そして完全帰国→二週間の自粛→幼稚園探しと諸々手続きなど等してた頃。

そして二週間の自粛明けには、アンサンブル・ノマドさんの公演にもお邪魔しました。自作の「Cities and Memory」素晴らしく演奏して頂きました。生のコンサートが久々過ぎて、緊張するくらいでした。こちらの公演の様子は、ドイツ・ライプチヒのアンサンブルフェスティバルのウェブサイトでもご購入の上ご視聴頂けます。

そして後半には、jwcm主催の「ママパパ音楽家会議」もありました。ここで語られたことが語られたままにならずに、何かに繋げて行けるよう2021年は更に動いていきたいと思います。

10月

田舎暮らしになったので、教習所に通い始めました(12月現在も苦労しながら教習通いしています)。

そしてさっきょく塾では、桑原ゆうさんをゲストにレッスンをして頂いたり、作曲家の冷水乃栄流さんを招いてレクチャーを行いました。

jwcmの冊子作りも終盤に差し掛かり、文字情報の校正や確認に追われていた時期でもあります。作曲では、フルートとギターの作品を書いていました(がなかなか進まず、という時期)。

11月

フルートとギターの作品。なかなか筆が遅くこの頃沈没していました。そちらの作品は一度延期になりましたが、2021年初演される予定ので、お見逃しなく。土橋庸人さんと松本寛子さんからのご依頼でした。

そして女性作曲家会議、jwcmではメンバー二人と冊子印刷のために藤原印刷の松本工場にお邪魔しました。今期一番の感動体験でした。

そしてさっきょく塾では、アイスランドより作曲家のGuðmundur Steinn Gunnarssonさんを招いて自作のレクチャーを行いました。3Dプリンターを用いた楽器改造のお話やアニメーション・ノーテーションの話など、非常に興味深かったです。

12月

そして今月12月。さっきょく塾では、イラン人作曲家のファルジア・ファラ(Farzia Fallahのレッスンを行いました。

そしてjwcmではシリーズプロジェクトの第一弾として、「ダイアローグ: Arts and Women【音楽家と社会】」を先日終えたところです。こちらはまた後日書き起こしを掲載します。

あと一つ。年末も年末に個人オーガナイズで「年末に今年初演された作品について語る会」をやりますが、それが本当の仕事(?)納めになります。今年も多くの方にご協力頂いた年となりました。みなさま、ありがとうございました!

2021年にやること、自分への備忘録(2021.1更新)

●さっきょく塾は、俳優の中川佐織さん、そして声楽家の薬師寺典子さん、そして作曲家の宗像礼さんをゲストに迎えます。クラリネットのレクチャー番外編として、anayiotis Kokorasの「Mutation」をレクチャー第二弾も予定しています。

●女性作曲家会議、jwcmでは「Dialogue: Arts and Women」というシリーズプロジェクトを行います。またこちらは詳細が決まり次第お知らせします。

●一月にクラリネットの菊地秀夫さんのアルバムに作品を入れて頂きました。2021年1月18日発売、現在予約販売中です。

〇ピアニスト中村麗さんとビデオアーティスト瀧健太郎さんとの共同プロジェクト(ゲーテ・インスティテュート助成)があります。こちらの作品を改定初演、そして録画もします。

〇チェリストの北嶋愛季さんとバイオリニストの中山加琳からご依頼いただいています。こちらは長年研究している「移動」そして「歩く」がテーマで、今こちらの本を読んでいます。

〇2021年5月TriOrganicさんへの編曲作品があります。こちらも詳細後日公開します(コンサートは五月)。

〇サックス奏者のSalim Javaidさん、クラリネットのKyusang Jeongさん、そしてチェリストのElio Herreraさんに作品を書きます(秋に延期になりました)。

〇イタリアのDivertiment Ensembleのシリーズにコンポーザーゲストとして招待されています。2021年に新作を含む4作品演奏して頂きます。

〇2020年から2021年にかけて、ピアニストの八坂公洋さんとのプロジェクト遂行中です。こちらはビジュアルアーティストさんとのコラボレーションになります。「Memory and Stain」の再演と「鳥」をテーマにした新曲発表があります(2022年に延期)。

Ensemble S201への委嘱新作があります。こちらは来年もしくは再来年初演予定です(〆切は夏、コンサートは秋です)。

〇これは今年の秋から続けていますが、アーティストの荒川創也さんと共同作業で楽譜を作っています。こちらも2022年にはお目見えできると思います。

上記とは別に、幾つか企画を運営しています。

さっきょく塾は通年。春と秋に新規塾生さんを募集しています。

jwcm(女性作曲家会議)も通年でイベントを行っています。オンラインサロンは常時入会可能です。2021年は、5月1日のキクラボonlineに始まり、9月と12月にイベントを行う予定です。

(2021年5月更新)新しく、作曲家コレクティブ始めました。またこちらは、詳細追ってお知らせします。

若手作曲家のプラットフォームになるような場の提供を目指しています。一緒にシーンを盛り上げていきましょう。活動を応援したい方、ぜひサポートお願いします!