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ノイズって美しくない?騒音の新しい定義(3)

これまでの講義ではイタリアの未来派から生まれた概念「騒音芸術」の話に始まり、ロシアアバンギャルドまでの流れをご説明しました。国の情勢よって音楽は常に形を変えていきます。考え方や音楽そのものを理解するためには、その時代の、社会の根底にあったコンテクストを知ることが一つ鍵になるのかもしれませんね(2021年追記:エラーで記事の一部が見えない状態になっておりました)

ここからはわたなべ超個人的解釈。ロシアのアバンギャルドから現在にかけての流れって、実は「そう音」概念を語る上でとても重要な位置にいるんじゃないかと思うんです。

ルイージ・ルッソロ(Luigi Russolo)からエドガー・ヴァレーズ(Edgard Varèse)やミュージック・コンクレートやスペクトルって流れを追うことが多いけれど、実はルッソロとロシアアヴァンギャルド、そして今のロシア現代音楽は密接な関係性があるような気がしています。

ヴァレーズが音そのものの新しさを追求していく姿勢は、どこか白(楽音)の対極としての黒(非楽音)という関係性のもとに考えられてきた。それに対し、ルッソロ、ロシアアヴァンギャルドは機械音、工場音そのものを愛していた。そして、その先に何を見ていたのか。

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