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さっきょく塾マガジン休止のお知らせ

2019年より開始したさっきょく塾のマガジンも3年目になります。読み返してみると、わたし自身の思考の移動のページをめくるようです。

この三年間は、ちょうどコロナが始まる前から2023年の今までの期間にあたっていて、家にいる時間もそれまでより多かったものですから、考えることも考える時間もあって、思考したことをこのマガジンを通してみなさんにお伝えできることを楽しみに生きてきました。

さっきょく塾のマガジンということで、さっきょく塾でやっていたことをまとめたりすることもありましたが、マガジン単独の記事もあり、その時に個人的に考えていたことなどをまとめてきました。その殆どが今読み返しても、同じようなことを考えていたりもするので、思考が育っていないのか、自分の思考に執着し過ぎなのかはわかりませんが、ここに私が生きていた、そして生きている、と感じさせてくれる大事な媒体の一つでした。

先日、師匠のヨハネス・シェルホルンと話をしているときに、彼が昨年出版した本の話になりました。彼が音楽以上に、音楽にまつわる社会や政治に興味があることは知っていましたが(というより、音楽が社会の中にあるということなんでしょう)、それらがまとめられた本だそうで、一度読んでみたいと思っています(ただ在庫がもうないそうで、彼の家にある分以外ないみたいです)。

彼と話している中で、自分が興味を持って考える行為そのものが師匠からの影響だったのだな、と改めて思いました。不思議なことで、作曲のレッスンをしてもらっていたはずなのですが、しっかりと思考の影響を受けているのですね。というより、作曲のレッスンというものは音そのものの指導ではないのでしょう。シェルホルンからは、音のまわりのことをたくさん教わりました。

音についての思考は結果として創作や演奏に結びつくこともあるけれども、それ自体が創作であろう、と長く感じています。シェルホルンの話を聞いてますますその思いを強くしました。言葉によって思考する世界、映像によって思考する世界があるとするならば、音によって思考する世界があっても良いはずで、逆説的に音によって考えたことを言葉にしていくことも音楽活動の一部なのかなと思っています。

今月でさっきょく塾の活動鈍化に伴い休刊とします。もう少しマガジンだけでも続けようかと思いましたが、さっきょく塾も単発レクチャーのみの形態で継続ということで、こちらも同様にお休みさせて頂きます。

これからマガジンという形態から離れて、書いていこうと思います。

みなさん、これまでご購読ありがとうございました!

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