1~2声部、10分程度の作品に対して委嘱費用は?

約半数の作曲家が、小編成10分作品を5万以下で書いている。

前回に引き続き、お金の話。前回行ったアンケート結果が出ましたので、こちらにまとめます。

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まとめると、6万以上と答えた方が53パーセント、5万以下と答えた方が47パーセント。5~6万を境に凡そ、半数というところでしょうか。

ソロ・デュオ作品10分を5万円で書くことがどういうことなのか。

わたしの肌感覚ですが、編成に関わらず、ミニマムでも一か月はお時間を頂きたい(できれば3か月くらいあると嬉しい)。なので、一作品を一か月で仕上げるとして、これを時給計算してみることにします。

計算上、土日はお休み、実働8時間(朝8時~17時まで働いて、お昼休憩一時間を挟む)とすると、時給は

312円

日給は

2,500円


この生活を一年続けていくと、年収は

60万

です。30歳の年収の「中央値」が350万程度ですので、約1/6。十分に生活保護の対象となる金額ではないでしょうか。

その上、毎月一つ委嘱が来る作曲家は売れっ子の部類です。なかなか、委嘱をコンスタントに頂くこと自体が難しい。要は、作曲委嘱だけで生きていくということは今の日本の現状だとかなり難しい状況であることがわかります。日本を拠点とする作曲家の約半数が、こういった労働状況にあります。

「それなら兼業すれば良いじゃないか」とも思うのですが、兼業することで時間は限られます。例えば、夜帰ってから創作をする兼業タイプの作曲家が同じような環境で創作をしようとすると帰ってから寝るまで創作するとして、実働4時間というところでしょうか。本来ミニマムで毎日8時間やってギリギリのところを4時間でやっていく、それも普通のバイト時給にも届かない環境で、です。

そもそも環境的に恵まれている家庭、経済的にゆとりのある人間だけの特権的な活動なのか、どうやったら創作活動を続けることが出来るのか・・・。

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