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同時代音楽のための月刊マガジン【無料】

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同時代に生きる音楽家のインタビュー、エッセイなどを月刊でお届けします。紙媒体のマガジンを目指して、記事ストック中です。 【音ポスト】 【ゆきちか日々の書簡 (不定期)】 【今日の… もっと読む
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#坂田直樹

2019-10-13「今日のこぼれ話」

「今日のこぼれ話」作曲の纏わるこぼれ話を不定期(有料・無料)でお届けします。本日お届けするのはさっきょく塾今期のゲスト講師で、作曲家の坂田直樹さんの一言。以前のインタビュー記事はこちらから。 坂田直樹の三つのキーワード(わたなべ)これ、さっきょく塾やアカデミーなどで毎回、作曲家の方に投げかけている質問なんですね、「自分の音楽を表す三つのキーワード」。二つ目くらいまではスッと出て、三つ目が結構悩む(笑)そして、時期によってもワードが変わっていくのが面白いんです。 ――(坂田

坂田直樹に〇〇について聞いてみた(4)

——坂田直樹に〇〇について聞いてみた、早くも最終章になりました。ここでは、このインタビューの中で比較することになった、わたなべ作品「空中ブランコの閑」についても触れていきたいと思います。 実はたまたま坂田さんが「月の影を掬う」を書いていたときに、私も「空中ブランコの閑」を書き始めていたんです。しかも、作曲中は「月にかける橋」が仮題だったんですよ。 へぇ!そうだったんですね、面白い偶然! ——なのでどこかで坂田さんの作品タイトルを見かけて「あ!まずい!被ってる(笑)!」と

坂田直樹に〇〇について聞いてみた(3)

——坂田さんは、2018年にクラリネットとピアノのための「月の影を掬う」という作品を発表されました。私も偶然、2018年終わりにクラリネットとギターの曲を書いていて、テーマが似ていることから、この二つの作品を比較しながら、お話を進めたいと思います。 まずこの「月を掬う」というタイトルについてお話を聞かせてもらえますか? クラリネットには低音域のシャリュモーと呼ばれる音域と、クラリーノ、クラリオンと呼ばれる中音域があって、この二つの音域はかなり音色も異なってるんですよね。一

坂田直樹に〇〇について聞いてみた(2)

——事前に出したアンケートで「作曲家は職業として成立すると思うか?」という問いに対して「すると思う」とお答え頂いたんですが、私自身は難しさを感じています。坂田さんの考えを聞かせてもらえますか? アンケートには「職業として成り立つ」と書いたんですが・・・正直言うと狙ってできることじゃないよなって思ってます。我々の世代もみんな大変そうだけど、どうしてるの?と聞きたいですよ(笑)。周りを見た時に、藤倉大さんとか、そのご活躍を見ると出来ないことはないよなって思うんですけれど。 —

坂田直樹に〇〇について聞いてみた(1)

作曲家 坂田直樹さんにインタビューしてきました。坂田直樹さんは1981年生まれ、愛知県立芸術大学を卒業後フランス留学をされて、今現在は東京とパリを中心に活動されている作曲家です。同世代として常に刺激を頂いている作曲家の一人でもあります。坂田直樹さんウェブサイト (インタビュアー:わたなべゆきこ) ——坂田さんは、フランス留学の前は、日本では愛知県芸で勉強されてるんですよね。愛知県芸での学びについて、少しお伺いできますか? 当時は、将来「現代音楽をもっとやっていきたいのか」