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囲碁の楽しみ方

週末、NHK杯テレビ囲碁トーナメントを録画し、平日に毎晩少しずつ見る。それが私と夫の定番の晩酌スタイルだ。

夫は囲碁を少々たしなむので、対局を見ながら次の一手を予想したり、定石を確かめたりしている。時々は、後日棋譜を盤上に並べてみたりと本格的だ。

私は囲碁はしない。ルールは知らない、定石は分からない、そして覚える気もない。夫は教えるのが上手なので、少し手ほどきしてもらったことはあるが、覚える気にはならなかった。

それでも対局を見るのは楽しい。

一つ目の見どころは棋士の表情だ。

ポーカーフェイスで打つのが礼儀であり戦略であるようだが、よくよく見ていると意外と表情が動いている。相手が打った瞬間思わずのけぞる人。しきりに首をかしげる人。肩が凝るのか首筋を揉みはじめる人。今?!というタイミングでお茶を飲む人。

今年はマスクをしていて口元が見えないがが、以前なら爪や扇子を噛む人も見られた。明らかに何かブツブツとぼやいている人も。

総じて女流棋士の方が淡々としており、男性の方が表情豊か、というのも面白い。

二つ目の見どころは解説と進行のやり取りだ。

お喋りで、棋士にまつわる色々な余談を話してくれる人。解説というより独り言のような人。この手は何が狙いか分かりません、ときっぱり言い切る潔い人。

ほとんど自分から喋らず、進行が質問をしたりして促さないと解説しない人もいれば、進行に話す隙きを与えないような人もいる。

解説が上手な人だと、私のような素人にも何がどうしていいのか(まずいのか)が分かる。

三つ目の見どころはやはり対局の結果だ。

最後の最後までもつれ、半目勝ち(つまり、ほんの僅かな差)になったりすると、思わず「おぉ!」と声が出る。どっちも良く戦った!と拍手を送りたくなる。

逆に、「え?!もう??」というくらい早い段階で投了、中押し勝ちということもある。まだ石を置けそうなのになんで?と思ってしまうのだが、プロからすれば勝ち目なしと判断したわけだ。ずっと先まで読んでいることに感嘆する。頭の中がどうなっているのか、見てみたい。

将棋界では大スター出現のおかげで観戦専門の将棋ファンが増えたと聞く。囲碁界では、私のような観戦専門のファンは少ないかもしれない。NHK杯は早打ち(時間制限があって必ず90分で終わる)・解説付きなので、素人にはオススメである。囲碁もぜひ注目してほしい。

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