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笑顔が真顔に憧れる

私のコンプレックスは顔だ。

といっても、細工や大きさの悩みではない。どうやら、デフォルトが不機嫌な表情らしいのだ。ボーッとしてる時や、すごく真面目に相手の話を聞いているという場面で、突然「なんか怒ってるの?」と聞かれたことが何度もある。何度もあるのだ。

忘れられないのは、看護学生の時。学生指導をする看護師の話をメモを取りながら真面目に聞いていたら、「何なのその顔は!そんな不機嫌な態度で実習する生徒、見たことない!」と叱られた。「笑えばいい顔なんだから、そんな風に人のことをにらみつけるのは止めなさい」と。

不機嫌どころか、集中して身を入れて真剣に実習に臨んでいたのに、真逆に受けとられてしまったことがショックだった。よほどヒドイ顔なんだなと自信のない顔にさらに自信がなくなり、コンプレックスになった。

きっと自分では思い切り笑っているつもりくらいで、ようやく普通の真顔程度に思われるのだろう。生まれつきふんわりと笑っているような顔だったらいいのに。

意識して笑顔でい続けるのは、なかなか大変だ。それよりも自分が自然と笑顔になってしまうように仕向ける方が早い。そんな場面を思いつくままに並べてみると、お気に入りの音楽を聞く、温かくて締め付けない服を着る、日向ぼっこしながら美味しいコーヒーを飲む、我が子のほっぺを触る、など。けれど、これらのシチュエーションは自然に笑顔でいられるかわり、叶えられる環境は限定的だ。

仕事中でも笑顔が浮かぶようにするにはどうしたらいいだろう。そうだ、自分から冗談を言おう。根っから東北人の私は、基本的に堅い。生まれつき関西に住む人の笑いのセンスは一朝一夕には身につかない。でも私なりにユーモアを忘れずにいたい。少し楽しい言い回しで話せるように、難しい話題の中でも希望が語れるように、努力しよう。

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