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施設入所は悪いことなのか?

 一昔前までは老人ホームに入所させると「親を捨てた」と悪口を言われたものです。老人ホームは姥捨て山のように思われていました。

 でも、本当にそうでしょうか?
 施設に入れることは親を捨てること、悪いことなのでしょうか?

 在宅介護か施設入所か? 悩んだときは想像してみましょう。在宅介護の場合、家で一日をどう介護して過ごすか。一週間をどう過ごすか。トイレの回数や食事やお風呂の介助など、できるだけ細かく想像してみるのです。夜、眠れない場合や、あなた自身が体調を崩したときはどうするのかも考えておくといいと思います。

 在宅介護は終わりのないマラソンです。「施設に入れるのはかわいそう」というだけで無理に在宅介護をつづけたら、どうなるでしょうか。介護する家族は疲れきってしまい、心身を病んでしまいます。睡眠不足で正常な判断ができなくなり、カッとなって手を挙げてしまいます。介護を苦にしての心中や殺人など、悲劇はもはや日常茶飯事です。次はあなたが加害者になってしまうかもしれません。誰にでもその可能性があります。

 理想は必要でしょう。でもその理想は、絶対に、絶対に!限界を迎える前に手放さなければいけません。

 施設入所により避けられる悲劇はたくさんあります。私たちはただ自分のためだけではなく、愛する家族を守るため、傷つけないために、施設に入ってもらうのです。
「もう無理! 限界!」
 と途中でタオルを投げるのは勇気がいりますが、お互いのためにとても大切なこと。在宅介護を始めるときに「これができなくなったら入所」という限界を決めておくほうがいいと言われています。

ちなみに私は今は在宅介護をしていますが、「介護のせいで眠れなくなったら、入所」と決めています。そのお話もいつかしようと思います。

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