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ざっくり介護のはじめ方


1)まずは誰かに相談しよう

 かつて介護は家族がするものでした。嫁や子供がするものでした。でも今は違います。社会が助けてくれる時代、みんなで力をあわせて介護をする時代です。デイサービスや訪問介護など、いろいろなサービスをひっくるめたものが「介護保険サービス」です。

 現在の日本では、よほど人的・金銭的にめぐまれた方以外は、介護保険をまったく使わずに在宅介護をすることは、ほぼ不可能です。

 介護保険を使うには「使います!」という申請が必要です。もし申請がまだなら「役所っぽい人」に相談しましょう。

【最初に相談するところ】
・病院の相談員、ソーシャルワーカー
・地域包括支援センター、在宅介護支援センター、高齢者支援センターなど
・市町村の窓口

「家族に介護が必要になってきたのですが、どうすればいいでしょうか」
と言うだけです。次はどうすればいいか、教えてもらえます。

2)ケアマネさんを決めよう

 介護保険を使いたい、と告げると、まずは
「ケアマネさんを決めてください」
 と言われます。ケアマネージャー、略して『ケアマネさん』は、あなたと一緒に介護を考えてくれる人です。
『これからどうやって介護をしていくか?』
 をあなたと一緒に計画し、相談にのってくれる人です。使えるサービスなどを教えてくれたり、介護保険のめんどくさい手続きを代行してくれたりします。いわば、一番の相談相手になる人です。電話はもちろん自宅まで来てくれるので気軽に話ができます。
 とはいえ、ほとんどの人が
「いきなりケアマネを選べと言われても・・・」
 と戸惑うことでしょう。心当たりがあれば一番いいですが、なければ最初に訪れた役所や地域包括センターなどでリストを渡され、その中から選ぶこともできます。介護しているご近所さんから紹介してもらった、かかりつけ医に教えてもらった、という人もいます。

※ケアマネさんは変更可能
 ケアマネさんは私たち介護者の大事な相棒。だからこそ、能力と人柄が重要です。あまりにも仕事ができなかったり、なまけ者だったり、意地悪な人だったら困ります。どうしても「この人はダメだ」と思ったらケアマネさんを変更することもできます。変更してもいいのです。遠慮をしているうちに事態がこじれることもあります。思い切って別の事業所に電話をかけて事情を話してみましょう。これはケアマネさんだけではなくホームヘルパーなどにも言えることです。

3)介護認定を受けよう

介護認定とは
 介護保険を使う人は「どれくらいの介護を必要としているか」という「介護度」によって7段階に分けられます。介護度を決めるには調査の人が自宅や病院まで来て、実際の様子をその目で確かめます。ご家族や看護士さんに話を聞くこともあります。
 介護度=介護の大変さ、ではありません。寝たきりの要介護5より歩き回る要支援2のほうが苦労が多かったりするものです。判定が出たあとどうしても
「この介護度はおかしい」「もっと重いはずだ」
 と思った場合はもう一度やりなおしてもらうこともできます。また、途中で病状が重くなった場合、元気になった場合にも申請して区分変更もできます。

※働いていても要支援認定は受けられる
 たとえ本人がパートなどで働いていても、認定を受けることができます。
「外で働けるくらい元気だから介護保険は使えないだろう」
 と決めつけないで、まずは相談してみてください。

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