台湾的音楽 問題總部 It's Your Fault 都会的で気だるさ漂うR&B
台湾のアーティストを紹介するシリーズ。
問題總部 It's Your Fault
なんだか、ちょっと怖いというか、強い感じの音楽のバンドかなと、字面だけで思いましたが、音楽としてはR&Bやフュージョン系です。都会的な雰囲気も漂う6人組のバンドです。
「Day」
2020年リリースのアルバム『User Guide:1』の1曲目を飾る楽曲です。
MVの猫が可愛いですね。
全体的に漂う、気だるさがヨーロッパのショートムービーを観ているような気持ちにもなります。ドラムとピアノから感じるジャズっぽさも好きです。
「心臓病」
2020年リリースの同じアルバムに収録されている作品。
こちらにも漂う倦怠感と、市場の食べ物の生々しさにどんどん引き込まれます。
どちらのMVでも共通したイメージがちゃんとあることからも、バンドとして魅せたいものや雰囲気づくりなども、しっかり確立しているような印象を受けます。
問題總部 It's Your Faultは、台北出身の6人組バンドで。、2016年に結成されました。
バンド名が、少しドキッとする感じがするのですが、Facebookなどでのプロフィールには、“人生は問題の根源であり、私たちはその問題を楽しんでいる”というような事が書かれています。
バンドとしてのコンセプトが分かると、何となく2本のMVの雰囲気も良く分かるような気もします。ものすごくポジティブにずんずん進むというよりかは、問題もありながらも、それを許容しながらも緩やかだけどしなやかに進んでいるような。
そのコンセプトが、彼らの音楽やMVにもキチンと落とし込まれているように感じます。
少し話は逸れますが、台湾のバンド、特にR&Bやフュージョン系の楽曲を聴くと、何となくエリカ・バドゥを思い出すようなところがあります。もちろん、日本のアーティストでも、R&Bやフュージョン系だと、エリカ・バドゥに影響を受けているという人も多いので、台湾だけの特徴というわけではありませんが。
ただ、たとえウィスパーボイスで歌ったとしても、声が前に届く、声自体に芯の強さを持っている台湾アーティストが歌うことで、音だけではなく、歌声の面からも、エリカ・バドゥを思い出すのかなと、個人的には思っています。
「Monday Morning」
2020年リリースの同じアルバムに収録されている作品。
先ほどの2本の作品よりも、少しギターにファンクの要素もあるようなサウンドも魅力的です。
問題總部 It's Your Fault は、昨年に台湾のインディー音楽のアワード金音奨で、リリースした作品『User Guide:1』で、「最佳節奏藍調專輯獎」(最優秀R&Bアルバム賞)にノミネートされました。このアルバムは、記事でMVを紹介している作品が収録されたものです。
きっと今後は、もっと多くの部門にもノミネートされるのではないかと思い、期待が膨らみます。
「 Song about Soul (feat. 金其禾 Dudu King)」
2021年リリースされたシングルで、台湾のアンダーグラウンドで人気のラッパー、金其禾 a.k.a Dudu Kingとのコラボ作品です。
都会的な音に、ラップの熱量、コーラスの厚みとどこを切り取ってもカッコいい。これはライブで観てみたいし、美味しいお酒を飲みたくなります。
問題總部 It's Your Fault の作品もSpotifyで聴くことができます。
ぜひチェックしてみてください。