▷竹製品の魅力

こんにちは、河野友希子です。

世界全体でこのまま木材消費が続き、森林破壊が進むと世界中の森林は50年後にはなくなるでしょう。

森林の破壊は地球の砂漠化と温暖化、異常気象、生態系の破壊など、地球全体の生命維持システムの崩壊につながります。
木材は一度伐採して再び植樹しても、その育成に最低50年はかかります。

しかし、竹は地下に張りめぐった地下茎から毎年タケノコとして芽が出て、約3か月で10メートル以上に成長し、そして約3年で身が引き締まり立派な成竹となります。
竹は根を張る力が強く、他の植生を脅かすこともありますが、逆に地崩れや地盤沈下を防ぎ、森と人間の生活を守ってくれます。

竹林を健全に保つためには適度に伐採して、密生することを防ぐ必要がありますが、残念なことに日本中の山林の竹林は、ほとんどが放置されているのが現状です。

昔、まだプラスチックがなかった時代は、身の回りのあらゆる所に竹で作られた物、竹を利用した物がありました。

そんな竹が使われなくなってしまったのは、なぜでしょうか?

まず考えられる原因は、プラスチック製品に比べて扱いが難しいことです。カビが生える、虫が付く、割れる、腐る。少し若い人には扱いにくいものかもしれません。

ただ、竹製品にはそれを超える魅力あります。
丸竹のまま利用したり、細く薄く裂いてヒゴ状にして、いろいろな大きさ・形に編むことができます。
ヒゴの幅・厚みを変えることによって、小さな柔らかい篭から大きく丈夫な物まで、どんな物にも変化します

そして、一番の魅力は、CO2排出量が少なくエコな材料だということです。

天然素材に共通しますが、竹は自然に生育していくので当然CO2の排出はなく、逆に吸収してくれます。

製品にするため山から切り出し、加工する過程では、わずかですがCO2を排出します。
例えば、チェーンソーで竹を伐採するとき。釜を炊き油抜き作業をするとき。それに、機械を使って加工(ヒゴ取や削り等)をするときなどは、一般に電気・燃料を使うのでCO2が発生します。

とはいえ、今でも油抜き作業以外は機械を使わない職人さん・作家さんもいますし、機械を使う場合でも、排出されるCO2の量は石油由来製品に比べ大変少ないのです。

地球環境の保護・改善に、もっと竹の利用をしていこう。

竹は、身の周りのあらゆるものに置き換えることができます。お箸でもザルでも、何か1つそばにあるものを竹製品に変えてみるのもいいと思います。

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