作家さんの個展って何がおもしろいの?
食器を好きになるとぶちあたるのが、いわゆる「作家もの」と呼ばれる個人の陶芸家さんや工芸家さんのうつわたち。そんな作家もののうつわを買うには2パターンあります。お店で買うか、個展で買うか。「どっちにしろ食器が手に入るんならどっちでもいいんじゃないの?」と思ったそこのあなた。私もかつてそう思っていました。でも、一度行ったら「個展で買う」ことにやみつきになっちゃったんです。なぜ人はわざわざ個展へ足を運ぶのか?うつわオタク以外には奇妙にも思えるその魅力について語りたいと思います。
① 作品数が多い
先ほど作家ものの器はお店にも売ってますと書きましたが、実際は手に入りにくいのが現状です。ネット通販でも品切れ続出、実店舗でも一部商品が取り扱いされているのみで品数は少ない。作家さんのうつわは個展で買うのが基本(というイメージ)なので、それ以外でゲットするのは難易度が高くなります。
個展なら、その期間に合わせて比較的品数を多く販売してくださるので、多くのラインナップから選べます。特に作家ものの器は一点もの。同じ釉薬同じサイズの平皿でも、絶妙に焼き加減で焦げ感が違ったり釉薬の垂れ具合が異なったり1つずつ味わいが違うもの。数ある中から見比べて「え〜どっちにしよ〜」なんて見比べるのも楽しいものです。
先日買った七尾うた子さんの片口は、同じくらいのサイズ感でも表面の土の色が全然違うのでかなり迷いに迷って30分くらい悩みました(悩みすぎ)。
作品数が多いとはいえ、やはりだんだん売れていくものなので比較的早めの日程に足を運ぶ方がいいです。鳥居あいさんは平皿を狙ってたけど2日目ですでに売り切れでした。小さいものは残ってたんですが、、、。すごいですよね!
② 作家さんと話せる
魅力2点目は、作家さんとお話しできるということ。「ミーハーかーい!」と言われてしまいそうですが、いやもちろんミーハー心もないわけではないんですが、作家さんに直接”聞ける”のがいいんです。
素材の裏話や、制作秘話、どんな料理を合わせたらいいですか?なんて用途の話まで。買う時に迷ってしまうからこそ、作り手の方に直接聞けるのはありがたい。
またしても七尾うた子さん登場です。カフェオレボウルは映画『みつばちのささやき』のアナが抱えていたカフェオレボウルをイメージして作られたそう。そんなエピソードを聞くともう買わねば!とボルテージMAX
ごつごつしててお気に入りです。
↑名作。
例えば二階堂さんのうつわ、お手入れが心配だったんですが「油も気にせず使ってください、むしろそれが味になって育っていきますから」とおっしゃってくださってホッとしました。
③ お祭り感がある
何行ってんの?と顰蹙買いそうですが、魅力3つ目はこれです。
お店の常設やネット通販で買うのもいいんですけど、個展で買う時ってちょっとした非日常感を味わえるのが楽しいんです。
小さなものではお店の個展から、大きなものでは百貨店の催事や陶器市まで作家さんが出展するパターンは様々ありますが、どれも食器のハレ舞台感があるんです。食器が輝いて見えるというか。ただのお買い物ではなくて、この祭りに私も参加するぞ感があるというか。いやむしろ、うつわ猛者たちとともにこの感動を共有するぞ感というか。
複数名展示される催事や、陶器市などはぜひお友達と一緒に行って、帰り道に「何買った?」「私はこれ」「それ私も欲しかった〜!」「え!でもそっちのもめっちゃいいじゃーん」なんて戦利品発表会するのがおすすめです。祭りですからね。
(photo by 西村有)
東京蚤の市のときの写真です。まつりだまつりだ〜とばかりに買い込み、その後打ち上げでいかに私のゲットしたものがイケてるかトークをしました。VIVA打ち上げ。食器だけでなく雑貨や家具が多いため作家さんの個展の話と若干ずれますが、祭り感という意味では本質は一緒ですね。
個展ってどうやって見つけるの?
最後に、このnoteで個展に興味が出た!でもどうやっていったらいいのという方へ個展の見つけた方も書いてみます。
・作家さんのインスタをチェックする
好きなうつわ作家さんのインスタを確認する。だいたいインスタアカウントのある作家さんが多く、また多くの作家さんが個展のスケジュールを書いてくださっています。
・有名なギャラリー/店舗をチェックする
都内で作家さんの個展を開催するようなギャラリー/店舗をチェックして、今後のスケジュールを確認する。
・大きな陶器市に足を運ぶ
複数の作家さんが出展する陶器市にとりあえず行ってみる。まだどの作家さんが好きとか店舗やギャラリーについて詳しくない方はこれがいいかも。だいたい春と秋が多く、益子陶器市などは特に規模が大きく有名ですね。
はじめて訪れる時はちょっと緊張するかもしれません。少なくとも私はしました。冷静に考えるとただのお買い物なんですけど、なんとなく敷居が高いなあと感じるのは否めない、、、。そんな作家さんの個展ですが、私は行ってみてめちゃくちゃハマりました!まだまだ知らない作家さんの作品と深く出会いたいし、陶器市などは未見のものも多いのでこの秋足を伸ばしたいなと思ってます。
今日はここまで。
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