火の神カグツチとフォッサマグナ

日本の国を生んだ伊邪那美と伊邪那岐が象徴するものの一つが東日本と西日本だと考える。

伊邪那美がフォッサマグナの千葉柏崎構造線から北東
伊邪那岐が糸魚川静岡構造線から西南。
二人が交わる場所は諏訪。二人の名前に含まれる漢字の伊那はすぐ近くにある。

二人が結ばれて生まれるのが、フォッサマグナ地帯。
(文化、技術の側面も全て含まれ神々が誕生する)


フォッサマグナとは日本海側は新潟から始まり長野を通り太平洋側の静岡、千葉までの一帯である。

火山帯であり、日本アルプスがそびえる。
火の神の誕生にふさわしい地である。
カグツチは迦具土とも火之夜芸速男とも火之炫毘古とも書かれている。
土器や炉を作り、闇を照らし、黒を作る、それが火の役割であった。

しかし、伊邪那美は火を生んだ時に美蕃登(みほと)を焼いてしまい、病に伏せる。
美蕃登と表記したのはこの箇所だけである事に注目したい。
美しい未開の地を登っていった。
そして、多具理(たぐり=吐いたもの)から金山毘古、金山毘売が、屎から波邇夜須毘古、波邇夜須毘売が、尿から弥都波能売神(みずはのめのかみ)、和久産巣日神が生まれ、豊宇気毘売神が生まれる。

フォッサマグナから生まれた神々である。

静岡県島田市大井神社の祭神は、波邇夜須毘売と弥都波能売神である。糸静構造線の静岡の位置と合致する。糸静構造線が鍵になる。
金山は火山活動により形成された金鉱物資源、屎は粘土などの土であり、波邇夜須は岬を指す。
尿は水に関係し、弥都波能売とは水力、和久産巣日は水車、そうして豊宇気毘売は水力と水車から生み出される動力エネルギーである。
黒部ダム付近。古代からこの水の力を利用しようと人は考えた。
この力は金の発掘に利用された。砂金のろ過である。

カグツチを殺した刀は、立山ーかつて太刀山と呼ばれた山である。天之尾羽張、伊都之尾羽張ともいう。伊都国(長野大町)の西側を守る城壁でもあった。

カグツチは切り刻まれて八ヶ岳や浅間山、富士山などの火山が生まれる。
またカグツチを切った血から温泉が生まれる。富山県黒部宇奈月温泉。
そこから糸魚川ー石筒之男神、柏崎ー根さく神、弥彦神社ー石さく神まで血が飛び散る。
これらは、フォッサマグナの構造線の沿岸部と一致する。そして、石筒は水路を。根さく、石さくは土地を裂くであり、沿岸部に柵を作った事を意味すると考える。海からの侵入を防ぐ目的だと推測される。
長野県大町つまり伊都国ー神の国への侵入を阻止する目的があった。

刀の元から流れる血は甕速日神ー石灰、樋速日神ー水を取り込むトンネル、建御雷之男神ー剣岳、またの名は建布都神または豊布都神。
豊な麻地が広がり、布の都であった。また、後には仏教が盛んになった事にも引っ掛けていると推測する。

少し脱線するが、神武天皇紀で登場する布都御魂という刀がある。佐士布都神とも甕布都神ともいい、石上神宮に坐すとある。石上神宮は物部氏が祭祀を司る。
佐士はサジ、つまりスプーンであり北斗七星をさす。
石上神宮にある七支刀。物部氏は富山新川の出身。併せて考えれば、これこそがその刀だと考えられる。

刀の手上の血からは闇淤加美神ー黒部川、闇御津羽ー黒部峡谷が生まれた。

これを踏まえると伊邪那美が埋葬された地ー黄泉比良坂がどこであったかは明らかになる。

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