一寸 30.303mmの謎

一寸という長さの単位は、何故決まったのか。
1寸=33分の1m  約30.303mm循環小数
由来は親指の幅とあるが、3cmも幅のある人はいないはず。私は2cm程である。

つまり、この長さの単位の由来は信じ難い。

長さの単位が決まったのには、もっと重要な意味がある。
目である。
人の目は、三角測量の自動装置になっている。
人間は無意識のうちに、両眼視差や運動視差で距離を測定し、立体視を得ている。
三角測量の原理で、対象点との距離を測定できる。

人の黒目から眉間までの距離は約3cmである。

目盛ー長さの単位は全て目が決めている。
一寸を決めたのは、目と目の幅にあるのではないか。

それが全ての長さの基本になっている。

33分の1m
大工の差し金にも使用され、木を切り出すのに重要な単位になっている。
木の加工に最適な単位であった。
聖徳太子は規矩をもつ姿で描かれることがあるが、国家の採用する長さの単位を規定し、寺院建設などにこの技術を用いたからであろう。

一見大工技術に思われるが、真の目的は、天文学の軌道計測にある。
小数単位で緻密に計算する技術が、既に開発されていた。それを教えてくれるのが、
富山県民謡「こきりこ節」
この歌は「ささら」という楽器を用いる猿楽が由来。
108の板が蛇のように連なる。
歌詞には、ささらは窓のもとにある、とある。
108は、煩悩の数だと思われているがそうではない。
9理の数字である。0はゼロではなく、空間。
1と8を橋渡しする桁である。1と8を繋ぐもの。
こうして数は1から8までいき、また1に戻り循環していく。この108を中心とした3マス✖︎3マスの表。
432
108
765
0を中心に向かい合う数字の和は9
また各列は数列になっている。9進法なので二桁になれば各桁を足して一桁にする。
417は6ずつ増える数列
306も6ずつ増える数列
285も6ずつ増える数列
逆もしかり。
714は3ずつ増える数列
603も3ずつ増える数列
582も3ずつ増える数列

この表を拡大していっても循環は崩れない。
108765492
765432108
432108765
108765492
765432108
斜め方向にも循環配列が出来上がる。
永遠に続く配列である。

9理は、逆数の理論であり循環理論でもある。

九という漢字は、頭が3つに分かれた雌の竜の象形とされる

竜という漢字は、頭に辛字形の冠飾をつけている蛇身の獣形。
春分にして天に昇り、秋分にして淵に潜むという。

夜空に浮かぶ星座りゅう座。
地球の黄道極のある天の中心にあたる。
北極星は地球の歳差運動による天極である。
りゅう座は秋には地平線スレスレに隠れてしまう。

近世、天文学者ブラッドレーは、このりゅう座の頭のエルタニンを根気よく観察し、章動を解明した。
章動とは、歳差の結果、天極が黄道極の周りを回転する際、太陽と月の影響で正しい円を描かず少しずつ波形を描いて進む事である。

古代の人は、太陽と月の影響を受け変化する微小な動きさえ、捉えていたのではないか。
このりゅう座の観測から9理を生みだしたのではないか。
それは、3で括る縄(蛇)計算法から生み出された。
それを九の象形が伝えてくれていると思う。





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