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路傍の人

 暑い。蒸し暑い。朝日が残酷なまでの熱及び紫外線を放射させては、横顔をじりじりと焼いてくる。日陰もない幹線道路で信号待ちをしていると、いつもの「花当番」の人が目に入った。

 私が勝手にそう呼んでいる「花当番」は、歩道にある花壇にパンジーのような花々を植え、毎朝水やりや手入れをしている人々である。担当は歩道脇にある某電気設備企業の方々、作業着を着ているのでわかりやすい。人は変わるがいつも男性で、時には朝日の眩しさに顔をしかめながら水やりをし、時には背中を丸めながらホウキで小気味良く花壇の掃除をする。その様子がなんとも風情があり、灼熱の炎に焼かれながら信号待ちをしている時のささやかな癒やしになっている。今日も朝から暑いところ、お疲れ様といつものラジオを聴きながら独り言ちるのだ。

 暑さのせいか、無気力のような疲労感が拭えない。出社すると、朝一からガチで居眠りをする人を横目に仕事をしているせいか、やる気も起きない(せめて勤務中は目を開けている位はしたほうがいい)。帰宅後もどうも怠い。ゲームをはじめとする趣味においても、なかなか気が向かない日が増える。そんな自分のDiscordやSNSなどを見ると、出張先のアメリカから帰国直後に時差ボケもなく元気にゲームをしている某氏がいた。そして延々とDiabloⅣをプレイし続けていると思ったらリアル車耐久レースに出場する某氏、ゲーム作品がきっかけとなり、リアル乗馬に目覚めた某氏も「金がないが働けば良いな??」などと呟いていて、ポジティブにも程がある元気さが健在である。流石極まりし者達、人生を楽しみすぎていて何があっても全く変わらない様子に勝手に安堵する。人生、私の分まで楽しんでほしい。

 直接関係の無いような、それでも人生ですれ違う知らない人々。私に感心を持って交流を続けてくれる聖人(としか言いようがない)達、愛しきゲーマー仲間。結局、みんな大好きだ。だから今日も皆にとってどうか良き日でありますように。