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我が家の喧嘩

ウチの家は、父の家族離脱後、母と娘の母子家庭になりまして。
一番、家族を冷静に見ていた父がいなくなると、
女同士の喧嘩ってホントに収拾がつかなくてですね。

とくに私が意地っ張りな上に、
大学2年で北京大学語学研修に行って以来、
「原理原則を前面に押し出す一歩も引かない中国人の喧嘩の仕方」を
覚えて帰ってきた
ものですから、
膠着状態になりやすく。

母は母で、舌戦に持ち込まれたら、
娘の由希路には絶対勝てないということがわかっていまして、
「口きかない戦法」または、プロレスラー並みの「的確な暴力」で応戦することが多かったんですね。

で、いつしか、横山家タイマン決戦では
「舌戦を繰り広げている間に、相手を笑わせた方がTKO勝ち」

みたいな暗黙のルールが導入され、
ま、たいてい私が8割の確率でTKO勝ちするんですけど、
1回私が喧嘩の最中に大爆笑したことがあって。

劣勢に追い込まれた母が、掃除機の柄のジョイント部分で、
私の脇腹を突いてきた
ことがありまして。
本当に母は的確な暴力で、痛いんですよ。
頭にきて

「はあ? 竹槍攻撃か? いつの時代だよ? 戦争末期かよっ!」

と怒鳴ったら、母に


「違うよ………



『ハスラー2』だよっ!!!!!!!」


と言い返され、さすがに爆笑してしまい、この時はTKO負けしました。


私が母親にTKO勝ちしたのは……いろいろあるんですけど、
パッと思い出せたのは、


口きかない戦法を貫く母に、業を煮やした私は
フライパンの底をおたまでガンガン叩きながら

「いつまで戦争やるつもりだ……! 

アンタ、中東戦争か? 


第四次中東戦争か!!!!」

と言ったら、時事ネタに弱い母が笑ってTKO勝ちとか……


あとは


壁に私が追い詰められて、
顔をビンタ、膝蹴り、腹にパンチを母に決められ
あまりにその暴力が軽快で鮮やかだったので


「何そのフットワーク! 

関根勤がモノマネする輪島かよ!!!」


と怒鳴ったら、母が笑いだしてTKO勝ちとか……

そんなところですかねえ。

あと、親が口きかなくなるたびに

「和田アキ子がリズム&暴力(R&B)なら、アンタはD&Bだなっ! 

だんまり&暴力かよ!!!!!」

とかも、良く言ってました……。

「ハイ、出ました! だんまり&暴力」

とか言ってたな〜。懐かしいなあ。

母・正子ちゃんはもう認知症になって、言葉もほとんど出なくなってしまったのですが、
昔はこんな言葉のプロレス三昧だったので、
なんだかとっても懐かしいですねえ。

正子ちゃん、3年に一度は、場外ホームランみたいな面白いこと言ってたもんねえ。

また、喧嘩したいねえ。

#母娘喧嘩 #認知症 #言葉のプロレス


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