音楽日記2020年7月

7/1
『Sheer Heart Attack (2011 Remaster)』 クイーン 1974
エグすぎ。「Killer Queen」は相変わらず異質さを感じる程クールだ。だがこの曲にも決して劣らない曲がこんなにもあるとは。この方々はかっこよさに抱きつかれている。「Brighton Rock」が特に好きだ。

7/1
『泰安洋行』 細野晴臣 1976
ツイッターで名盤と紹介されていたので聴いてみました。異国情緒ですね。ジャジーな感じを匂わせながら、中華っぽさやトロピカルが盛り込まれていて面白かったです。力の抜きぐらいがちょうどよくゆったりと聴けました。

7/1
『Unforgettable』 ナット・キング・コール
ジョジョリオン(8部)の東方憲助のスタンド名から知りました。優雅でどこまでも深い歌声が特徴的な一枚です。

7/2
『Life In Cartoon Motion』 MIKA 2007
ビッケブランカの「Slave Of Love」のMVのコメント欄でMIKAの名前があり気になって聴きました。めっちゃくちゃカラフル。ジャケット通り虹と一緒に歌っている人ですね。私に共感覚はないが、音から色を感じた体験だったかも。

7/3
『strobo』 Vaundy 2020
次の曲のたびに口があんぐり開いてしまう。
キャッチーと斬新さは矛盾しないことを改めて確認した。心にトレンドの新しい服を着せてくれる。そんな心はもちろん喜んでいる。

7/3
『消えない - EP』 赤い公園
一味も二味も違うガールズバンド。ポスト・ロックという言葉がぴったりだ。
2曲目「Highway Cabriolet」では都市らしさも感じるが、普通の都市ではない。別の宇宙に存在する、地球にそっくりな星の都市のような。

7/4
『Borderland』 Ryu Matsuyama 2020
ゆっくりとエネルギーを送られてくるイメージ。
木々が生い茂る川にて、小舟を浮かべただその緩やかな大流に身を任せる。
傾き終わった太陽が沈み、星々の時間になっていく。

7/5
「Mr. Blue Sky」 エレクトリック・ライト・オーケストラ 1977
「最後そんなことになんねや」ってなりますね。

7/8
『Synchronicity』 ザ・ポリス 1983
'61年生の男性からおすすめされて。
レゲエとロックを掛け合わせたイギリスのロックバンド。
1曲目の「Synchronicity Ⅰ」から目を見張る新しさを感じた。4曲目「Mother」は心地のいい不安を覚えさせふ希有な作品。

7/8
『The Awakening』 Ahmad Jamal Trio 1970
ほろ酔いで気持ちよさそうにハミングしてると思ったら、急に酔いが覚めたかのように力強いプレイを魅せるピアノが好きです。

7/9
『An Innocent Man』 ビリー・ジョエル 1983
父のお気に入り。
「Uptown Girl」が大好き。「Tell Her About It」や「The Longest Time」で、昔父のmp3playerで色々聴いていたことを思い出しました。懐かしい。
新たに「Leave a Tender Moment Alone」を知れて良かったです。

7/10
『だから僕は音楽を辞めた』 ヨルシカ 2019
エイミーとエルマの物語。コンセプトアルバム二連作の一作目。
決して簡単ではない。
激情型。
「六月は雨上がりの街を書く」が特にその激情にもがく様がよく出ていて好きだ。

7/10
『エルマ』 ヨルシカ 2019
二部作の二作目。
「詩」的でした。
情景描写が多く聴いていて心地よかった。スピッツのように、さらっと聴けるがとんでもない意味が隠れているのかも。「憂一乗」でそう思いました。

7/11
『Check Your Head』 Beastie Boys 1992
ラップにジャズのリズムに、ロックなサウンドと盛りだくさん。
音色も面白い。
ただまずノれる。ノれまくれる。頭をフれる。服もヨれる。確かにこれはめちゃウれる。
むちゃカッコいい音楽。

7/13
『Moving Pictures』 Rush 1981
RS誌(2016)プログレ名盤3位とのことで。
前情報なしで聴いたので驚きました。ハードロック調で聴きやすいのに、プログレ特有の難解さと恐怖をあおるまでの狂気も感じられたからです。
また世界が広がりました。
「YYZ」が好きです。

7/13
『Still Life (Talking)』 Pat Metheny Group 1987
ジョジョ3部endingだった「Last Train Home」から。
フュージョン(ブラジル音楽×ジャズ)。
荒涼とした大地でさすらっている気分になれます。
同曲はもちろん、「Third Wind」も名曲であり唯一無二だ。

7/14
RADWIMPS 5thアルバム『アルトコロニーの定理 』
一番思い入れがあるのは5曲目「七ノ歌」。野田さんのロマンチシズムと言葉遊びが絶妙に合わさった一曲。個人的にはアルバム全体でアイデンティティにまつわる一つの物語になるのではと考えている。

7/15
『CEREMONY』 King Gnu 2020
大人になる者に対する「儀式」だと思った。
「Teenager Forever」や「飛行艇」のように鼓舞する曲もある。しかし「閉幕」に向かうにつれ寂しさがじわじわこみ上げてくる。「閉幕」も終わり、ぽつんと一人になった自分に気づく。

7/16
「オーティスレディングに乾杯」 森高千里 1987
なんて斬新さだ。温故知新。
この曲はジャズっぽいpopと言えばいいのか。普段ロックばかり聴く私の辞書にない音楽だ。出会えて嬉しい。
いつの間にか80年代が古臭く感じなくなったかも。「忘れられないの」の影響か。

7/16
『Bach: Goldberg Variations, BWV 988』 J.S.バッハ
モヤモヤした気分だったので、寄り添ってくれそうなアルバムを選択。細田守監督の「時をかける少女」の挿入曲としても使われた。
バロック音楽は「いやに派手で、仰々しい」という印象があるように語られる。しかし私はこの作品群にはそのようなマイナスな感情は沸かなかった。楽しそうだったり、時に落ち込んでいるような響きを持っていたりとバリエーションに富んだものだった。
いつの日か大変音のいいお気に入りのスピーカーでこのアルバムを聴き返すことが非常に楽しみだ。その時は子どもや奥さんにも少しでも楽しんでもらえたらいいのだが。

7/17
『Emergency on Planet Earth』 ジャミロクワイ 1993
アシッドジャズの金字塔。50、60年代のジャズとはどこか大きく変わってしまっている。
キャッチーさが増している。スティーヴィーワンダーの影響は十分に伝わってくる。ジャズっぽいがジャズぽくない。都会的な感じ。


7/22
『(WHAT IS THE) LOVE & POP?』 Base Ball Bear 2009
ベボベで初めて聴いたアルバム。青春謳歌の楽曲も多くあるが、ただの若者に媚びた曲ではなく文学性がある。青春の全能感であったり、でもどこか薄暗いものだったり焦燥だったりを上手く表現できている。まさに「男の子の代表文学」である。

7/23
『ワルツを踊れ Tanz Walzer』 くるり 2007
岸田さんはどこからこの音楽を思い浮かんだんだろう。もし俺がミュージシャンになってもこのようなフォークチックな曲は作れないだろう。
一曲目の「ハイリゲンシュタッド」のこれから始まるアルバムに対するワクワク感を引き出してくれる。「ブレーメン」は牧歌的で草っ原のにおいがしてくるようだ。好きだわぁ。「ジュビリー」は相変わらず沁みる。「いわくいいがたいもの」(je ne sais quoi)が17世紀フランスで流行ったそうだが、まさにそれだ。胸のところがキュッとつままれて、心の幸せ分泌液がジワリとでているような感じ。
ジャケットも好きだ。中世を思わせる西洋風の建物に斜陽がキラキラ降り注ぎ、そこにすむ人たちをも輝かす。今日このアルバムを聴こうと思ったきっかけもこのジャケットのおかげだ。印象に残っていた。

7/24
『THE PARK』 赤い公園 2020
斬新さは邦ロックでもゲス極に並ぶ。次の音を予想できない。頭フル回転で聴くから疲れる。でもそこもいい。
「夜の公園」は恋する乙女が好きな人から恋愛相談を受ける様子と心情描写が巧みで好きだ。歪んだ音は少女のちぐはぐな心根を直接感じて苦しい。歌詞までいいとなるとは感服いたします。

7/26
『Who's Next』 The Who 1971
ベースとドラムが超絶うまいということで聴いてみた。まだベースとドラムに関して審美眼がないため、判定はできない。しかし、ここ基準に審美眼を鍛えればいい。
英語詞はいい意味で聞き流せるので音楽そのものを楽しめる。声を楽器としてとらえられる。そこも洋楽のいいところである。
ギターもいい感じだ。叙情的で情緒をくすぐられる。
アルバム全体通して時間が早くすぎていった。

7/26
『Ambient, Vol. 2: The Plateaux Of Mirror』 Harold Budd, ブライアン・イーノ 1980
アンビエント音楽(環境音楽)の先駆的存在となったブライアンイーノによるアルバム。
このアルバムは勉強しながらでも聞けるもので、かつ聞きながら知の宇宙をただよっている感覚になれる。気持ちのいい音楽だ。

7/27
『Apollo』 ブライアン・イーノ 1983
音楽は人間を通じて宇宙から造られたものだと信じさせるような作品。宇宙とつながっていることを自覚する。なぜ心地のいい気持ちになれるのか。心地いい気持ちというものがハッキリと感じられるのはなぜか。音楽に数学的要素があることを発見したピュタゴラスは偉大だ。

7/27
『Now, Not Yet』 half•alive 2019
エレクトロニクスアシッドポップ。アンビエントな要素もある。ノリもよく、初めて聴く音楽をたくさん届けてくれる。これがデビュー作とは驚きだ。これからが楽しみだ。
「still feel.」はやはりいい。抜群の力の抜き具合と高揚感のブレンド。「Maybe」も最高だ。新しい形式を模索している。しかも高いレベルだ。そうとういい掘削機で掘り起こしているのだろう。
心地よすぎる。これは傑作。もう一度聴こう。

7/27
『Guess Who?』 Nulbarich 2016
chill outなアルバム。バイトで疲れた体に沁みる。「NEW ERA」はやっぱりいいリフしている。この曲にも心をつままれた。

7/28
『Definitely Maybe (Remastered)』 オアシス 1994
邦題は『オアシス』。ノエルはこのアルバムはオアシスの最高傑作だと認めていた。それは私も同感だ。
「ROCK 'N' ROLL STAR」は名曲で一番好きな曲だ。本当に何でもできるような気になれる。というか何でもできる。
UKロックは素晴らしい。自由を謳歌していいんだ。自由って楽しいんだ。型にはまらなくていい。自由にやればいい。


7/29
『Чайковский 2020 - Symphony No. 4 in F minor, Op. 36』 ピョートル・チャイコフスキー
人間の表現は言葉だけに任されていない。音楽も人間の表現の一つ。不安を煽られるようなことも楽しい気持ちになることも、音楽を通すことで体験できることもある。
第一楽章は言葉にできない感情が含まれている。難解というよりも言語化不可能。言葉にできなくていい。この楽章を聴くことで常にその感情は確実にありありと胸に宿る。
第二楽章は初めは明るい感じを受け取った。チャイコフスキー自身は「仕事疲れで読もうと思う思った本も手から滑り落ちるような憂鬱とした気分」を表現しようとしていたという文言を知っていた。そのためその影響を受けると思っていたが、明るく感じた。しかし徐々に、どこで変わったのか分からないが、憂鬱を感じた。
第三楽章は初めて聴く音で楽しそうな雰囲気を届けてくれた。あんなストリングスの使い方があるのか。
第四楽章は今までの感情の変遷の終着点として適格であった。壮大で、心が色とりどりの感情をごちゃごちゃに混ぜられていた。時々壮大さに身を任せたくなるときがある。そんなときはこの楽章を聴くといいかもしれない。

7/29
『Autonomy』 Brothers Moving 2018
力強いエキゾチックな声に、ジャジーなリズムがたまわらない。時々こういう新しい音楽の発見があるから楽しい。
なんだろう。「Too Many Things」も「With you」もたまらない哀愁がある。なんで哀愁が心地いいんだろう。本来哀愁ってうら悲しいって意味だからあまり好ましい感情とはいえないのに。

7/31
『Sound Garden』 Harp On Mouth Sextet 2008
電子音楽と雅楽を融合させたアルバム。幽玄とは何かを言語化できていないが、おそらくこの聴取体験に幽玄さはある。
アンビエントな要素もあるから心地いいのだろう。雅楽といっても雅楽楽器を使用しているわけではなく、あくまでそのエッセンスを取り入れている。だからただダンスミュージックに雅楽を混ぜるだけの作品に終わらず、雅楽の可能性を洋の音楽で存分に発揮できているのだろう。まだ私は雅楽楽器と洋との相性を信じられるような音楽には出会っていない。このアルバムは私にとって雅楽が取るべき一つの姿勢を示してくれている。だから好きだ。

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