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#2021年の100冊 10月に読んだ本ベスト3

#2021年の100冊 は、ジャンル問わずとにかく本を読んで勉強することを目的に開始しました。10月31日時点で98冊なので、月10冊弱の計算です。

10月は、あまり読めず...5冊。10月には100冊いくかと思っていたけど、グロービス経営大学院の授業を受け始めたり、バングラデシュ出張に行き始めたりなど、忙しくなりました。

今月は5冊しか読めなかったけど、トップ3冊選んじゃう。

1位: 「バウルの歌を探しに」(川内有緒)

舞台はバングラデシュ。バウルと呼ばれる歌い人を探し求めた旅を綴ったノンフィクション。だけど、筆者の情熱に導かれたせいか、あまりにも濃く鮮やかに進んだ2週間の旅の展開と、彼女のいきいきとした文章力のせいで、ただの旅行記ではなく物語性にあふれ、読み応えのある1冊になっている。

点だった情報が最後につながっていき、「自分を知ること」「内側を旅せよ」というバウルの哲学が胸に響く。

2位: 「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」(東田直樹)

会話が難しいとされる自閉症の筆者が中学生のときに綴った、一問一答式の本。28カ国で翻訳され世界的なベストセラーになっている。

大きな声はなぜ出るのですか?
いつも動いているのはなぜですか?
どうしてパニックになるのですか?
跳びはねるのはなぜですか?
自閉症の人はどうして耳をふさぐのですか?うるさいときにふさぐのですか?

自閉症に詳しい人、一緒に暮らしている人から見ると、彼の文字盤を使った言葉の伝え方に懐疑的な人もいるよう。その「操作しているのでは」という方法(ファシリティテッド・コミュニケーション)そしてこの本の作られ方に異議を唱える人も少なくないよう。でもわたしは世の中の奇跡や、自閉症の方の世界を信じて、ピックアップしたいと思う。

3位: 「『本をつくる』という仕事」(稲泉蓮)

印刷業、校閲、翻訳エージェント。本をとりまくたくさんの職業について、業界からひとりずつに焦点を当てて、彼ら彼女らのプロフェッショナリティーを見つめた本。

本に関心のある人には、社会科見学しているようで楽しい1冊かもしれない。

10月のリスト5冊

10月のベスト3は以下の5冊から。

#92「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」(東田直樹)

「会話ができない」とされている重度の自閉症者。その内側は、こんなにも叫びにならない叫びで満ちていた。

僕たちは、まるで言葉の洪水に溺れるように、ただおろおろするばかりなのです。(p.27)
声は出せても、言葉になっていたとしても、それがいつも自分の言いたかったこととは限らないのです。(中略)
僕は、ちゃんとした会話がほとんどできないので、そのことで訂正することも無理だし、どうすることもできないのです。そんなことがあるたび自己嫌悪に陥り、もう誰とも話をしたくなくなります。(p.28,29)
僕たちは、自閉症でいることが普通なので、普通がどんなものか本当は分かっていません。自分を好きになれるのなら、普通でも自閉症でもどちらでもいいのです。(p.61)

筆者は2021年現在29歳で、2021年のForbs社が選ぶ「30 Under 30 Japan 2021」(世界を変える30歳未満30人の日本人)に選ばれている。

#93「『本をつくる』という仕事」(稲泉蓮)

著作権エージェントという職業を初めて知り、ちょっと憧れの気持ちを持った。だからベスト3に入れました。

著作権エージェントは、外国の書籍を翻訳出版する際に、外国の著者・出版社と日本の出版社の間に入って交渉や管理を行う仕事だそう。バイヤーとして外国で本を見つけてきて、今度はセールスとしてその本を日本で売り込む。物語のトレーダーって感じだ。

#94「転職の思考法」(北野唯我)

転職を考え始めたので読み直してみた。
「このまま今の会社にいていいのか?」昨今誰もが抱く疑問かもしれない。3年前に刊行され20万部を突破、漫画化や韓国語版も実現し、時代に求められている本になった。

タイトルにあるとおりノウハウではなく「思考法」が綴られている本だが、エージェントに求めるべきことや面接で聞くべきことなど、実践的な内容も含みながら、ストーリー形式で書かれている。

#95「ミャンマー政変」(北川成史)

今、ミャンマーで何が起きているのか。
どうして、そのような展開になったのか。
バングラデシュと深いかかわりのあるロヒンギャ難民の過去と今とは。
この1冊でかなり理解が深まった。また、2021年夏に書かれたとても新しい情報でもある。

#96「バウルの歌を探しに」(川内有緒)

12年勤めた国連をやめて気ままな2週間の旅に出る著者。その旅のテーマはバングラデシュで「バウル」と呼ばれる謎の吟遊民族。決まった土地を持たず、特定の宗教や階級にも属さない。その歌は無形文化遺産に登録されているという。

筆者はバングラデシュにたった2週間いただけなのに、10年以上バングラデシュに関わるビジネスパーソンに読ませても、最高に面白かったと熱っぽく語ってくれた。

おわりに

2021年10月末は、人生の中でも自分の心のコントロールを見失ってた時期でした。もう11月も半ばを過ぎてしまった。2021年の残りも、読書を楽しもう。


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