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発達段階の自己解釈――性格タイプの分析より

p176

しかも、たとえあらゆるタイプの人物を知っていたとしても、「自分のタイプの全特性を表している人はいない」ということを覚えておく必要がある。ある個人が<連続体>全体を経てきたという場合は極めてまれであろうし、あらゆる範囲の特性を同時に示すというのは(仮にそれが可能だったとしても)もっとありそうもない。私たち一人ひとりは、<発達の諸段階>に沿って、ほんの数段階にまたがる「重力中心」の周りを動いている。別のいい方をすれば、私達自身の中心が見つかる一定の段階「帯域幅」があるということである(たとえば、ある人は本質的に健全で、その行為の範囲は発達段階2と段階5の間に収まっているという特徴があるかもしれない。その場合、その人は段階1の特性や、<連続体>の反対の端の、極めて不健全状態に低下する段階6からの特性は表さないであろう)。自分のタイプが秘めているあらゆる特性を全範囲にわたって行動に示すことはない。そうするということは、健全でありながら不健全であり、情緒が安定していながら神経症的であり、統合していながら分裂しているということになってしまい、不可能だからである。

性格タイプの分析より

(連続体とは、1から9までの発達レベルを意味する)

【個人の解釈】
健全から不健全のレベル1から9を経た場合、たとえばタイプ8であれば、偉大な指導者から殺人まで全て経験したということになる。もしかしたらそれもあり得るかもしれないけれど、極めてまれだろう。
一時的に一部の思考や行動だけレベル6になってしまうことはあるかもしれないが、それ以外だと健全度が高い人は、健全度が高い中でしか動かない(その人の平均的な健全レベルが3であるとしたら、普段は2-5あたりで動いている)、というこではないかと私は考える。たとえば、健全度レベル2の人が、何もなしに突然健全度レベル9まで落ちるだろうか。よほどのことがない限り、そこまではいかないだろう(こうなる場合は、おそらく闇落ちしている)。健全度レベルが落ちるにしても、せいぜい5や6程度だ。健全度が高ければ、分裂も健全なものになる。
同時に1から9の特性が表れている人はいない(健全と不健全の両立は不可能)。

持論だが、不健全6と4の合せ技で健全度の低い8の特徴が出るのではないか、と私は思っている。たとえば、レベル5以下のタイプ6と4の一部特徴がタイプ8の不健全状態に似ることがある。
タイプ8だと思っていたら、8の2分裂だったということもある。いずれにせよ、深堀りが必要だ。


以前記事で書いたように、1-6にタイプ8的な特徴が見られることもあるので、精査が必要になってくる。

p177

一定の次点で全範囲の特性を表している人はだれもいないのであるから、他人とタイプ(およびそのタイプの多くの変形)について話し合うことも有益である。自分が診断しようとしている人物についてどんな特性を他の人々が見分けるか、また、自分の認知はそれと合っているかどうか確かめるのは興味深い経験であろう。もし合っていなければ、自分の診断の根拠となる一番確かな証拠を探す必要があるから、討論は一層有益なものとなろう。

性格タイプの分析より

本書には自他の自認について、グループで話し合うことが大切だと繰り返し説かれている。個人的にだが、間違いなくタイプ5要素を強く持っているだろうという人(トライタイプでもエニアの統合分裂でも。いい形で出ていること前提)が一人いることが好ましいと思っている。新しい観点で切り込んでくれるからだ。

私たちのディスカッショングループの初期メンツは、8w7(△852) 9w8(△972) 9w1(△926) 1w9(△154) 3w4(△395) 6w7(△649)で、トライタイプ含めれば、かなりタイプがバラけている。あらゆる視点から切り込めるのがいい点だと私は思っている。

精査や掘り下げのためのディスカッションは、とても有意義だろう。

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