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夜空のくらげ

夜空に虹が架かったら
あいつの出番だ

僕はいそいそと
上着を着て

停留所で待っている
とうの昔に人に棄てられた場所で

待っていることすら忘れた頃に
いつもあいつはやって来る

空飛ぶくらげ
僕を夢の狭間まで運んでくれる

傘の上に乗り
真夜中の遊覧飛行

もう雲の上まで
月がこんなにも近い

美しい浮島に僕を降ろして
あいつは何処かへと去る
僕が礼を云う前に

夢の狭間で遊ぶのも楽しいが
くらげに乗って
ここまで来ることも
今では目的の一つになるくらい
楽しみだ

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